超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【何かを求めてはいけない】河野多恵子『臍の緒は妙薬』

天気が良いね。

でも天気が良すぎるのはよくないね。

休ませてください。

 

 

 

 

河野多恵子『臍の緒は妙薬』

臍の緒は妙薬
河野多恵子

新潮社 2007年04月

by ヨメレバ

 

 

 

 

読者の裁量次第だな

この本は奇書の部類に入ると思います。

いわゆる結末まで読んだからといって

印象的なものが出てこない奇妙な作品だから。

 

まあ無理をしてひねくりだせばなんとか行けますが

それでも語彙力の稚拙さ(私の)を抜きにしても

絞りだすのがなかなか難儀というね…

 

それにこの本そのものが短いんですよね。

インパクトはものすごいんだけれどもね…

 

感想

読者裁量が大きいということは…

割と好き放題(?)に感想をかけるということじゃない!!

わーいわーい!!

 

…とは言ってはいますが

書いている人に失礼のない程度には

節度を持って感想は書きたいと思います。

 

表題作は戦争の激動の時代と

それにばっちり当たって兄弟たちの

臍の緒に関しての物語。

 

なんてことはない感じのお話ですが

表題の通りで

実は臍の緒は薬として

用いられたこともあったのです。

 

実はこの本に登場する人物の

臍の緒に関しては「なぜか」短くなっています。

 

もう答えは先述の通りなんですけれどもね。

その臍の緒の持ち主は大病をやっていて

その時に使われた形跡があるということ。

 

これに関連してなのかな…

そのうちの兄弟の一人がガンに倒れます。

だんだんと闘病していくうちに

体が弱っていくその人。

 

だけれども主人公はその人(妹)に

臍の緒の所在を言うことはできませんでした。

もしかしたら…これを煎じれば…という思いが

主人公にはあったのかもしれませんね。

 

でもそれはあくまでも民間のそれというのもあるし

確実性はないですからね…

結局それを渡さぬまま妹は9か月の闘病ののちに

命を落としてしまうのです。

 

そこには何ら盛り上がる感じの展開は

待ち受けてはいないのですよ。

 

それは全作品通してそうかな。

戦時中の子供が出てくる「月光の曲」も

ある女性がえらいことをしでかしている「魔」も…

 

ちなみにこの「魔」に関しては

そのしでかしている事柄に関しては

何も進展もないまま、著者が意図して

幕を下ろしてしまいます。

 

意図的に下したよな?これ。

勝手な解釈しまくるぞ…

 

きっと「例の物」も

「魔」のせいでどっかに行ったと思うことにしましょう

 

ただし本人以外の前で絶対に

出てきてはいけないとは思うんですけどね!!

(ただしその材料に関しては

すでに本人以外のところで見つかっているので…

お察しくださいだな…)

 

なんだかんだで書けるものだけど

感想を書くのは難儀するかもです…

嫌いじゃないけどなぁ!!

 

おわりに

不思議すぎるので、ほかの作品も

触れてみたいなと思った方でした。

いつかの機会にまた出会えるといいものですね。

 

取り上げなかった星占いの作品も

結末はなんて事のない作品だけど

ほんのちょこっとだけ愛を感じるはずです。

何だろう、ほほえましいなあれ。

 

 

おしまい