超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【あらゆる死と、破滅と】青山真治『死の谷'95』

あるものが届きました。

別テーブルでやってたけど

これ全部普通にデスクでできることに気が付く。

 

 

 

 

青山真治『死の谷'95』

死の谷’95
青山真治

講談社 2005年11月

by ヨメレバ

 

 

 

 

探偵のまねごとの先に

その男はお世辞にも頭はよくありませんでした。

その結果、兄の背中を追うことができず

結果的に敗北者の烙印を

家族に押されることになります。

 

そのため、彼は兄が嫌いでした。

 

しかしながらひょんなことから

その兄が、彼に自分の妻の行動を

調査してほしいと頼んできます。

 

何やら男の影があるそうで…

 

感想

この冒頭の部分は

主人公である次郎がまだ探偵になる前の

10年前の時系列のお話になります。

 

結果的にこの調査は

かなりえぐい形で終わることになります。

そう、彼女は自殺してしまうのです。

 

でも…

 

そして時は過ぎていき

彼は探偵になります。

 

そんな中一人の男性の

調査依頼がやってきます。

 

その女性はお世辞にも素行がよくなく

男をとっかえひっかえしているような

女性でした。

 

そのせいなのか、何者かによって

殺された挙句に死体遺棄をされ

死後6日後に発見されるのです。

 

この章の方では

愛を一人の人間に向けられず

さまよう女性が描かれています。

 

それに惹かれ、

結局は破滅する若き青年の

物語もあります。

 

それはある種、次郎に似つくかもしれません。

このボンと物語中で呼ばれている男も

実は名だたる家の息子ですが

おちこぼれゆえにいらない人間扱いをされていたのです。

 

そして女性にすら

その存在意義を否定されたとき

ボンは破滅へと突き進んでいくのです。

 

ボンが生を終える描写が

かなりえがつないんよね。

なんかこういうのを読むと無力感に

襲われてしまいます。

 

ちなみにこの作品には

最後に思わぬ事実が出てくることになります。

まあ、読んでいればもしかして、と思えることでしょう。

 

すぐに次郎はその「存在」に対面したときに

何が10年前に起きたかを察することができました。

 

真相部分に関しては

はっきり言って胸糞です。

その「存在」の方に関しては

一切悪くはない、ということだけは触れたいと思います。

 

そう、ある犠牲を伴ってまでも

その存在はかつてあったものを捨て去りたかったんです。

 

そう思うとアイツはいかにクズかが

理解できることでしょう。

 

次郎は確かに学力はなかった。

だけれどもその手段はブラックかもしれないけれども

きちんと相手に役に立つ仕事をして

結果を残しているから。

 

その一方でクズは…

でも、真相の告白部分で

きちんと鉄槌が下ったと知って

溜飲が下がりましたとも。

 

おわりに

この方の文はちょっと特殊。

それとここではあまり触れませんでしたが

英語圏ではbで始まる卑語が頻出します。

 

結婚は…だった感じでね。

この感性が独特だよね…

私はこういう視点がとがっている人

嫌いじゃないけどね。