超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

『7つの不思議なお話』宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』

明日も行くことになります。

が…!!何このマーク!!

場合によっては行けない。

 

 

 

 

本所深川ふしぎ草紙
宮部みゆき

新潮社 2012年03月

by ヨメレバ

 

 

 

 

茂七が関わった7つのお話

この作品はそれぞれが独立したお話ですが

作品を通して、岡っ引きの親分である

茂七という男が出てきます。

 

岡っ引きなのでもちろん事件に関わるのです。

ときにはなかなかのハードな案件に

関わっている場合もあります。

 

ちょっとアレな人たちの

手伝いをしてほしいとかね…

 

感想

ずっと読んでいたくなる世界観ってありますよね。

そんな世界観をずっと終わるまで

感じさせてくれました。

 

基本的には物悲しいお話が多いかな。

ある女性への想いは一方通行に

過ぎなかったという

ちょっと辛い事実を突きつけられるお話。

 

それは最初の作品からそうなんですよね。

ある娘と不仲の男が突如殺されてしまう事件。

真っ先に疑われたのはその娘だったわけで。

 

でも秘かに思いを寄せていた男は

彼女は絶対に殺していないと確信していました。

なぜならば彼は幼いころ、その女性に助けてもらっていたから。

 

実はかなり暖かい事実が隠されていますが

結局のところ、想いはすれ違ってしまいます。

悲しいけれどもね。

 

ただ、少しだけ救いはあるんですよね。一応。

 

もう1つそんな作品があります。

そう、本当の想いを伝えられないまま

結局は物語は終わってしまうという

これまた悲しくて切ないお話。

 

まだ恋というものにアンテナが目ざとく

立つ年ごろではないゆえの悲劇でしょうね。

まあこれは相手が悪いんですよね。

 

その思いをひた隠しにしようとしていたね。

すぐそばにいるんだから、

素直に伝えればよかったのにね…

 

ちなみにこの作品はそうなる前に

結構な事件が起きるんですよね。

なので主人公の女性はある頼まれごとがあったために

命拾いをするのです。

 

あとは…最後の2作品もよいのよ。

女性のとてつもなーく怖い面を

まざまざと見せつけられます。

 

特に強烈なのは最後に出てくる

「消えずの行灯」です。

 

ある行方不明の女性になりすますという

まあとんでもない頼みを聞き入れることになった

すれてはいるけれども賢明な女性のお話です。

 

ここに隠されている真実が

非常におっかないんですよね。

 

結局のところもはやいろいろな面で

このヘンテコな頼みをしてきた市毛屋は

崩壊しているわけです。

 

まあこういえばどういう真相が隠れているかは

大体想像がつくことでしょう。

どこかで折れればよいのだけれども、

やっぱり双方変なプライドがあるのでしょうなぁ…

 

おわりに

これはドラマ化されているみたいですね。

なかなか面白そうな感じです。

 

他の作品には

化け物が出る(!!)作品なんかも存在します。

ただし化け物は化け物だけれども…

 

この作品は思わぬ人間が出てくるので

けっこう面白かったりします。

でも、相当の悪だけどな…