超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【気づいたときは、もう手遅れで…】三島由紀夫『春の雪 豊饒の海(一)』

明日はまた行かねばなりません。

これが日常。

頑張ってくるね。

 

 

 

 

春の雪 豊饒の海(一)
三島由紀夫

新潮社 2002年10月

by ヨメレバ

 

 

 

 

想い人は遠ざかり

彼はプライドの高い青年でした。

そんな彼でも一人の女性に恋心を抱いていました。

 

しかしながら彼は女性の前では

まったく素直な表現ができませんでした。

そんふがいない彼を見て

彼女はなんとかその気持ちを向けようとしました。

 

その気持ちにも彼は答えられませんでした。

そして気持ちのすれ違いから、

彼は彼女を遠ざけてしまったのです。

 

そして、やがて彼女は遠い人へと

なってしまいました。

 

だけれども青年はここで

ようやく行動を起こすのですが…

 

感想

大作だけれどもやっぱり著者の作品は

いいな、と思った作品でした。

 

過去には短めの作品しか

私は読んだことがありません。

だけれどもその本を読んで、

なんて美しい文章なんだろう…と

ほれぼれとして読んでいました。

 

今回もやはり、その美しい文章に

うっとりとさせられましたね。

 

一応メインは

この第一部の主人公松枝清顕と綾倉聡子の

決してかなうことのなかった恋なのですが、

それぞれの人物の苦悩、もまたテーマです。

 

彼の友人である本多は

結局この本を読み終えてもDTのまま(!!)なのですが

彼には秘かに恋心を覚えた女性がいました。

 

ところが、そのいいところで人が入ってきて

状況が状況だったがゆえに

その女性は彼の家の出入りを

禁止されて二度と会えなくなってしまったのです。

 

その際に感じた気持ちは

彼の恋という感情の始まりだったのでしょうね。

 

まあ清顕に関してはそのエベレスト級のプライドがゆえに

想い人に素直になれなく、

結局彼が嫌な気持ちを持ったところへと

聡子は嫁いでゆく運命となったのです。

 

まあ、彼はそこで何かを思いついたのですが

ここは仔細に語りますとね…

ブログ消える可能性があるのであまり書きません。

いや、書いちゃだめですね。

 

とはいっても、この方のそういう描写は

ダイレクトでは決してないのです。

 

ここではサブキャラの扱いですが

女中に恋をした清顕の教育係である

飯沼という男が逢引する描写は

遠回しですが…の描写らしきものがあります。

 

このご想像にお任せくださいの描写は

そのものを書かれるより結構パンチが強いんだよね。

創造がはかどるのもあるからね…

(お前は何を言っているのだと)

 

そして決して報われることはない

破滅の禁じられた恋は

必然的な事件とともに、

聡子のある決意とともにその恋は終わりを迎えます。

 

そしてこの第一部の主人公である

清顕にも…

 

おわりに

この作品は転生ものです。

つまりこの主人公は…ということなのです。

ただしチートも何もないのであしからず。

そういう物語では断じてないです。

 

サブの人物たちもまたいいんだよね。

留学生の二人もね。

ちゃんとここで転生の暗示の描写が出てきます。

なんか興味深いよね…

 

さて、残り3冊。

もちろん完走しますからね。