超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【なぜ陛下は誘拐された?】横田順彌「菊花大作戦」

ようやくいろいろ復帰しました。

ちょっとお疲れね。

だけれどもやりたかったことおとといやったから後悔してない。

 

 

 

 

横田順彌「菊花大作戦」

菊花大作戦
横田順彌

出版芸術社 1994年03月

by ヨメレバ

 

 

 

 

天皇、誘拐さる

もうこれって重大事過ぎますよねぇ?

もしも陛下が命を落としでもしようものなら

そりゃあそりゃあ大変なことになります。

 

初めはどうして誘拐されたかはわからなかったのですが

だんだんとその原因は明らかになっていきます…

 

感想

と、言うようなかなりシリアスな感じの作品に思えるでしょ?

でもね、著者は今回は非SF作品である今作を書いているのですが

本来のSF作品では「ハチャハチャ作品」を書くことで定評な方です。

 

つまりシッチャカメッチャカ過ぎてメチャの部分を言えないほどに

カオステイストだということだそうで…

実際にこの作品は明治時代のお話なのに

やることがみょーにスケールがでかくなったりとそういう要素は

ジャンル違えど色濃く出ています。

 

ちなみに登場人物には実在の人物が出てきます。

大隈重信とかも出てきますし、山縣有朋もでてきますし。

きちんと登場人物は実在の人物です。

 

で、この事件を解決する人たちが天狗倶楽部の愉快な面々。

一応これらはシリーズものとなっており、ほかの作品にも

登場していたりします。(むろんそれはSF作品)

 

今回は紅一点として時子という女性が出てきます。

この当時なのでやはり女性の扱いはよいとは言えず

特に軍所属の織田が参加するのをよしとはしませんでした。

(結局参入するけどね)

 

でも彼女のせいか、侮るなかれです。

きっと春浪は女性のそういった面(男は侮る)を

きちんと見ていたんだと思います。

ただし、春浪にはむろん、女性蔑視な部分は

微塵もないことは付け加えておきます。

(いやだったらそもそもメンバーに加えない!!)

 

で、この騒動の仕立て人ですが、

どうやらいろいろとこじらせてしまったようです。

そのためにある種国に対して不義理を働いてしまったのでしょう。

 

ここまでしてしまった以上、許されるべきではないですが

実は結末部分にハートウォーミングな描写があります。

それを思うと、その仕立て人を憎むことはできないんですよね。

 

決してその人は最初から悪いわけじゃないんだもん。

時代がそうさせてしまったのよ。

 

おわりに

この作品のいいところはね、決してこんな事件があっても

読後感にもやもやがないところなの。

少しだけ犠牲はあったけど、周りの人はほとんど傷つかないんだよね。

 

でもシッチャカメッチャカよ。

犯人を追うためにどれだけ後手後手食らったか!!

まあ娯楽作品はそれぐらい演出は必要ってことよ!!