超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【これは不思議系だね】北村薫『野球の国のアリス』

明日はお休みだね。

あさっては久しぶりに忙しい水曜日かつ

追加依頼があったので買い出しに行きます。

 

 

 

 

北村薫『野球の国のアリス』

野球の国のアリス
北村薫

講談社 2008年08月

by ヨメレバ

 

 

 

 

この行きどころのないくやしさ

その少女は野球部のエースでした。

女子ながらもそれはそれは強烈なピッチングをする

期待の女の子。

 

だけれども野球を続けるという夢は

あるしきたりとともにあっけなく崩れ去ってしまいます。

そう、今とは違って男性優位の野球の世界

 

女子が一人しかいない環境では

彼女を受け入れることは到底不可能だったのです。

 

ゆきどころのない悲しい気持ち。

そんな中ひょんなきっかけから

同じような別世界に迷い込んでしまって…

 

感想

ミステリー系のレーベルですが

この作品に関していってしまえば

推理要素はほぼないと言っていいでしょう。

 

まったく、ではないところがポイントですね。

実はきちんと推理要素は存在するのです。

ある人に関しての事実ね。

 

その人はこの本中で重要な立ち位置を締めてくる

宇佐木、という男です。

ここでン?と思われるでしょう?

あの物語のあのキャラじゃ?とね。

 

そうです、そうですとも。

なので何かと彼も急いでいるわけです。

だけれども、急いでいるだけではなくて

鏡の世界に迷い込んであまりに無様すぎる野球に

頭を抱えている(?)アリスにある提案をしてくれるのです。

 

ちなみにどうやらアリスはこの世界に来るのが

ちょっと早すぎたために

うさぎさんはなかなか焦ってしまったようですよ?

 

だけれども不慣れゆえにアリスは

鏡の世界ならではのルールに躓いて

思わぬポカをしてしまうことになるのです。

 

なので時間が稼げたんですよね。

そして「負けることがエンターテイメント」に堕してしまった

鏡の世界の野球に一矢報いるため

ある秘策を持ってくるわけです。

 

この最高の場面は見せに魅せてくれますよ!!

もちろんある秘策を講じているので

従来のクソ雑魚チームとは違った

試合を展開していきますからね。

 

でもやはり元がよわよわなので

やはり守備面の不備を突かれてしまい

一時は大ピンチに陥ってしまいます。

 

だけれどもこっちには

エースであるアリスがいるのです。

そして…

 

いい作品だな、と感じました。

 

おわりに

この本に出てくる刺さる言葉があります。

~だから。

ここでは女だから、というネガティブな意味で用いられます。

 

実際、鏡の世界の練習試合でも

相手側がこれを使っています。

 

その決めつけは長いこと

様々なものを苦しめているんですよね。

私の外見もそうでした。

 

~だから~らしくしなさいよと何度言われたことでしょうか。

私がかつて毛刈りに行っていた場所でも

どうしてといわれました。

 

私はこう答えましたとも。

「もう二度とこの言葉を口にしないでくれ。

その言葉は大嫌いなんだ。」

 

長い付き合いの人でしたが

これだけは譲れませんでしたね。

もうその関係は言われなくなりました。

 

本当(性別)だからに関しては苦痛でしかないの。

この言葉、なくなってしまえばいいのにね。