超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【もうすでに終わっていた…】有栖川有栖『孤島パズル』

 

明日もきちんと行ってくるよ。

しっかり頑張る。

 

 

 

 

有栖川有栖『孤島パズル』

孤島パズル
有栖川有栖

東京創元社 1996年08月

by ヨメレバ

 

 

 

 

不思議な形の孤島

なんと、推理小説研究会に女子が入っただとぉ!!

異例の事態でございます。

 

そんな彼女がひょんなことから親戚のいる孤島に

アリスと、江神をを連れていくことに。

どうやらこの孤島にはあるお宝が隠れているそうで。

 

で・す・が…

そんな孤島である事件が発生してしまったのです。

殺しですよ、殺し…

 

感想

多分この学生アリスシリーズは通して

結末に関しては共通の雰囲気なんだろうなぁ…

と思っているのです。

 

今回、孤島では合計4人の犠牲者が出ます。

第一の事件ではいわくありげな女性と

その親が射殺されてしまいます。

 

ただし親に関してはどうも死の状況が

撃たれてはいるものの、それだけの死因ではなくて

テーブルに頭を強打しての死亡となっています。

 

そして明らかに密室だったんですよね。

どうやって出ていったのかが本当に謎な事件です。

 

第2の事件は画家である男の殺人事件。

彼はパズルを解いていたはずなのに

それがすでにバラバラになっていたのです。

途中段階なのも跡形もなく。

 

これにはきちんとわけがあるんですよね。

なるほどと思える理由が。

 

最後の一番疑わしかった男の事件に関しては

実はあまり見るべき点はありません。

実際に犯人そのものがそう言っていますしね。

 

…もうこの感想文を書いているうちに

疑える人が実は限られてきちゃうんですよ。

あえて私はその登場人物は出しません。

 

というか出すもなにも読んでいる時点で

人によっては序盤時点であ…にしか

なりえてこないんですよね。

 

それと後々になって指示している事柄が

すでに今回の事件以前にあった

ある出来事には裏があるということを

示唆しているわけですから…

 

うん、これに関してはしっかりと各々で

真相を確かめてほしいな、とは思います。

 

だけれどもそれがつまびらかになるということは

別のある種の破綻をもたらすことでも

あるんですよね。

 

それは当座で隠すことができても

結局は露呈してしまうのです。

なのでアリスや江神がいくら気を配っても

このシナリオはすでに確定事項だったわけで…

 

それを思うとあまりに胸が痛かったし、

そんなことがなければよかったのに、

と思わざるを得なかったな…

 

おわりに

これは心をえぐられるねぇ…

事件現場にもその人の思惑が伝わってくるのよ。

やっぱり人は美しくもあり、醜くもあるのよ。

たとえそうなる運命を自覚していてもね。

 

そしてやっぱりアリス君は残念だったね。

でもこれは仕方のないことだから割り切ってよね。

 

おわり