超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【なぜその罪を】ウンベルト・エーコ『薔薇の名前(下)』

ゆるい日々終了。

通常に戻ります。

 

 

 

 

ウンベルト・エーコ『薔薇の名前(下)』

薔薇の名前(下)
ウンベルト・エーコ

東京創元社 1990年01月01日

by ヨメレバ

 

 

 

 

脅威は消えたはずなのに…

真の犯人はきっちり上げたはずでした。

ところが…

またもや殺人が行われてしまうのです。

 

だんだんとあの禁じられた場所の秘密が

明らかになっていきますが

ウィリアムとアドソは突然、

教会から去るように告げられてしまいます。

 

感想

うん、どこかで見たことのある作品だねぇ。

名前はあえて出さないけれども

ほぼほぼ一緒の展開をたどる

作品が1作品存在します。

(過去に読んでるよ!!)

 

ただ違う点としては

最後の施設の破綻を迎える描写と

異端者に関してのそれは出てこなかったはず。

 

結局のところ二人の思う形には

一連の事件は解決することができませんでした。

だけれどもこれに関しては致し方ないとは思います。

 

何せ、二人とは反目する立場の人間が

この教会に来ることが決まっていて

結局は決定的に対峙することになり

その人間がかき回したがために

本来ならば止められるものも止められなくなったからです。

 

それとその際にアドソに混沌をもたらした

謎の女性の処遇が決まることとなってしまい

結果的に彼女は魔女と断定されて

処刑が確定してしまいます。

 

もうね、これらの圧倒的不利な状況下から

連続する殺人なんか防げなかったし

真の黒幕との対峙も早くはならなかったでしょうね。

 

ただし読者側に関しては

この人物が明らかに浮いているために

何らかの事情を知っているのでは?

とは感じたことでしょうね。

 

それにウィリアムのそいつへの対応も

明らかにそいつへ疑惑を持っている態度でしたからね。

それ以外にも実は真相部分を解明しているときに

ちゃんと不自然な部分を彼は指摘しているのです。

 

ちなみにその真の黒幕は

まあ登場当時からあれだなとは思っていたのですが

最終対決の際に

ついぞ決定的に狂ってしまうことになるのです。

 

なぜならば「ある大事なモノ」に

あるまじき振る舞いをするから何ですよ。

たまに緊急時にそれをやらかす(?)人はいるみたいですが

フィクションでその行動をとった人は

初めて見ましたね。

 

ちなみにその後のキリスト教関係のそれですが…

まあ悲しい結果になっております。

事実上の敗北だと思うのですよ。

 

でも、正統って何だろうね。

確かに異端とみなされたものは

明らかに性的にあれなものもあったけど

ウィリアムたちのそれはそうでない気がするんだけどな…

 

神の解釈の仕方ゆえに

異端なのかな?

 

おわりに

参考にならない感想となっております。

申し訳ありません。

 

ちなみに、分厚いで定評の著者の

大人気シリーズを読んでいる人は

あまりこの本の読書は薦めません。

(誰かは察して。このブログにも頻出してるよ)

 

多分それを読んでいる人の大部分は

引っかかる可能性が大きいので。

なんか見たことがある感じになるはずです。

 

でも、アドソの報われない愛は

切なかったな。

無論いけないことだけど、人並みではあったのね。

 

 

おしまい