超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【難解さとミステリーと】ウンベルト・エーコ『薔薇の名前(上)』

しばしの安らぎの日々。

まあそれが終わっても

もう脅威は消えたも同然でしょう。

長かったな。よく耐えたな。

 

 

 

 

ウンベルト・エーコ『薔薇の名前(上)』

薔薇の名前(上)
ウンベルト・エーコ

東京創元社 1990年01月

by ヨメレバ

 

 

 

 

奇怪な連続殺人を解決せよ

異端審問官だったウィリアムと

その弟子であるアラソが体験することになる

閉鎖された教会内で起きる殺人事件。

 

どうやらこの教会は何らかの知られたくない事情を

数多く隠しているようです。

 

それがウィリアムが当初見せてもらおうとした

書物を管理する場所。

 

そこは特定の人しか入るのを

許されていないようで。

何かがあるぞ、これ…

 

感想

キリスト教の解釈や議論部分は難解です。

ここに関しては仕方のない部分もありますね。

何せ私たちはこれらには無縁だったりしますからね。

 

何が異端かは縁がないため、正直分かりません。

だけれども異端と判定されたものの内には

いわゆる宗教関係者には

タブーとなっている肉欲が絡むものが

多いというものです。

 

それと愛や、笑いは罪だということも。

まあ愛の概念というのは

完璧に定義ができないゆえに宗教とて

完全には細くできなく、人を管理できなく(?)なるのが

その因だとは思っているのですよ。

 

恐らくこの事件の解決のカギは

みだりに立ち入ってはいけないあの書物庫に

隠されているのだとは思いますよ。

 

実際にみだりに入る人を阻むかのように

構造が複雑になっていますし、

恐怖を植え付けるためのトラップまでが

用意されているのです。

 

そのトラップがあるがゆえに

この禁断の場所には亡霊が出るという

噂が出回ったんだと思いますよ。

 

これは…この教会の持つ色を見れば

容易にそれを演出することが

可能なんですよね。

 

あとある現在は身近にある

ほとんどの人が男女問わず必需品なものも

その禁断の場所を怪奇たらしめる要因となっています。

 

そのメカニズムがわからなければ

化け物がいる!!になりますからね。

 

ちなみにこの作品の終盤は

この物語の書き手であるアドソの最悪の受難の

一夜となってしまいます。

 

もうヒントはこの感想文中に出てきます。

いくらそれを外に追い出している状況下でさえも

このなんとも言えない魔力というのは

そのものを狂わせてしまうんですよね…

 

おわりに

気のせいかな…

この作品、あるミステリー作品と

設定がすごく似ている部分があるんだけれども。

恐らく参考にしているよね…

 

気のせいではないと思うな。

似ている設定がいくつも出てきているの。

そうなると犯人もまさか…なぁ?

 

まあそうではないと思いたいです。