超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【これは読む、あるいは該当の劇を見ないと…】井上ひさし『夢の泪』

明日も行くことになるよ。

光がさしてくれればいいのに。

それだけでいいのに…

 

 

 

 

井上ひさし『夢の泪』

夢の泪
井上ひさし

新潮社 2004年07月15日

by ヨメレバ

 

 

 

 

ある弁護士夫婦にもたらされたのは…

ちょっと夫婦関係がぎくしゃくしている

弁護士夫婦のお話。

 

まあその原因は主人公の伊藤菊治の

女たらしのせいなんですけれどもね。

なので離婚も視野に入っていました。

 

そんな中妻の秋子は

ある重大な事件の弁護を引き受けることとなります。

弁護する人はとてつもない有名人。

 

だけれども、そこには…

 

感想

戯曲形式なので

割と時間をかけずに読めます。

 

だけれどもそこに含まれている

ある言葉には突き刺さるものがありました。

 

戯曲なので役名:セリフで

書いているのにかかわらずですよ。

 

これは結構大事なことで

確実に読んで確かめてほしいと

私は感じているので

ここでの言及は一切避けたいと思います。

 

それは現在はびこっているこの国の

不条理さを解消する答えとなると思います。

ただし、決してすぐには変えることはできません。

 

時間をかけていって

それを許さない土壌というのを

作り出していくしかないのです。

それしか方法はないでしょう。

 

どうすればそれが変わるかって?

それはその事実を見てから確かめてほしいな。

 

本編も触れますか。

妻の方は結構な案件を持ってきたのに

夫の菊治の方は一見するとまあ低レベル(?)な

争い合いになっている権利問題のお話。

 

彼女たちは将校クラブの専属シンガーですが

彼女たちの持ち歌が被っているということで

白黒つけようということで大変なことに。

 

だけれども、その問題の裏には

ある事情も隠されていたんですよね。

 

まあこの真相は元も子もないものでしたが

その真相に関連したのちのお話が

グッとくるものがあるんですよね。

 

まあこの二人、ケンカしている割には

あからさまに

相手をけちょんけちょんにしているわけでは

ないんだよね…

 

そして重大事の裁判も

やがて黒い事実を残したまま

幕を閉じることとなります。

 

結局ね…

そういう大きなものっていうのは

闇をこさえているの。

 

闇を暴かれないように

そのものを「なかったこと」にするのは

造作のないことなんだよね。

 

それっていやなことよね。

じゃあどうすればいいかって…

 

だからこの本に書いてあるって。

 

おわりに

ちなみにその刺さる文が

書いてあるところのほかのところも

やっぱり刺さるんだよね…

 

本来は人種間でいがみ合うなんて

悪手でしかないはずなのにね。

 

これはある本でも同様のことが書かれていたけど

相当ひどかったようですよ。

映像でも、それをもとにしたフィクションでも

何度でも目にしているので…