超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【神秘的系奇書】キアラン・カーソン『琥珀捕り』

明日は休養日になりました。

足がお疲れ気味なのでちょうどいいのです。

うれしい。

 

 

 

 

キアラン・カーソン『琥珀捕り』

琥珀捕り
キアラン・カーソン

東京創元社 2004年02月

by ヨメレバ

 

 

 

 

なんか変だな…

神秘的できれいな感じなんだけれども

よくよく読んでいくと???が

いっぱい浮かんできます。

 

どうしてこの本はそんな風なのだろう…

うん、これは奇書だ、

奇書だからこうも違和感を覚えるんだね!!

 

感想

読めない系の奇書ではなくて

確かに読める作品なんだけれども

なんかその先に何かを見出すことのできないというか

これ著者が拒否しているだろ?

と思わざるを得ない作品でしたね。

 

一応この本では

食事と寝床を保証してもらうために

冒険家であるジャックが

ある種の限定条件のもと

お話を披露するものとなっています。

 

なんかアラビアンナイトとも通じそうな

雰囲気ですが、話せなければ殺される

という物々しい雰囲気ではないので

そこのところはご安心を。

(千夜一夜物語はいつかリベンジはしたいね)

 

そんなジャックが話すお話は

なかなか残酷なお話も含まれます。

 

嫉妬に狂った神々が琥珀を生み出すものを

縛り付けてしまうといったやつとかね。

(というかこの神様が悪い。さっさと告白しないから悪いんじゃ)

 

彼がお話するときには周りに

十二人の人が来ていることがあります。

実はこの人たちは物語の終盤に

重要な意味合いを持ってくるんですが…

まあそこはお楽しみということで。

 

本当脈絡がなくて唐突に始まり、

唐突に終わるといった感じで

正直読んでいる側としては非常に

疲れる本となってしまいましたね。

 

悪い本ではないのですが、

もう少し構成がきちんとしていれば

奇書的扱いにはならなかったように

感じました。

 

でも悪いところばかりではなかったんですよ。

私にとっては負の時期に倣った

ある人物の教訓的なお話が

この本には出てくるので。

 

アラクネのお話ね。

これは傲慢であることがいかに

災いを招くかというお話よ。

 

私がその当時読んだ奴は

割とダメなことを言う部分は

整然としている(?)感じだったけど

この本の場合はKSBBA言ってしまってるからね(笑)

 

そりゃあ神様も怒って当然だよ…

確かに神様も大人げないとは思うけれども

基本的に相手に対して多少なりの配慮というものが

必要なのよ。

 

ちゃんとそのチャンスがあったのにふいにしているので

彼女は本当に自業自得です。

この部分は一度読んでみる価値があるわよ。

 

おわりに

この方の別の作品もどうも奇書っぽいな…

多分著者ワールドというのが確立されている模様ですね。

 

そういうのは嫌いではないけれども

私がまだそういうのをこなしている頻度が

お世辞にも多くないので

ペース的に落ちてしまうんですよね。

 

もっとスキルを磨きたいのと

できれば避けたいのと…

うん、悩むところさ…

 

神話とかが好きな人ならば

この本は好きになれると思います。

 

 

おしまい