超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【ダメ男君にもなんと…?】伊吹有喜『オムライス日和』

ちゃんとやるべきことはやってきました。

ちょっと悲しいことがあったんだ。

どうか、大変なことになっていませんように…

 

 

 

 

伊吹有喜『オムライス日和』

オムライス日和
伊吹有喜

角川春樹事務所 2016年02月11日

by ヨメレバ

 

 

 

 

デビイ嬢、肥えちゃう!?

それはなぜかデビイ嬢が肥えてしまうという

謎の事件が起きたことでした。

 

恐らく彼女はかわいがってもらっている

おうちがあるようです。

だけれども飼い主(?)である桃子は原則

彼女の食事をセーブしているので

これはたいへんよろしくありません。

 

なので彼女の首輪に

メッセージを託すことにしたのです。

 

それが思わぬ事態になってしまうとは…

 

感想

最初の作品はデビイ嬢お手柄な

作品となっております。

 

実は彼女をかわいがっている

あるお方がいます。

その人とようやくつながることができたのですが

ある日、穏やかでないメッセージが

デビイの首輪に託されたのです。

 

「たすけて」

 

こういうものを託すということは

のっぴきならない状況になっているということ。

そこでデビイに服を着せてGPSを仕込むことで

その助けを求めている家を特定しようとするのです。

 

そして起きていた事件は…

 

これね、テレビでも出てきた事例ね。

うちの家の場合はそういう間取りになっていないから

ありえないのだけれどもアパートとかマンションだと

起きやすい間取りになってるの。

 

なのでその場所の周りにはみだりに

モノを置いてはいけない、ということは

心がけてくださいね。

 

幸いにも今回は機転を利かせたことによって

助かっていますが…

そしていつものように素敵なお食事が出てきます。

 

そして表題作はね…

われらが宇藤君のあまり触れられたくない過去を

知る女性が出てきます。

 

ちょっときつい言葉をかける彼女、沙里だけれども

実は彼女は悲しい経験をしていたのです。

しかもまたもや決断に迷う事柄に巻き込まれていて…

 

彼女はあえて宇藤をいろいろな意味で挑発する

行動をとったりします。

メンタルはボロボロなんだろうね…

 

確かに宇藤と比べればすごい場所に彼女はいるの。

でも現状はもがき苦しんでも望んだことをやっている彼に対し

自分は…というもどかしさもあるんだろうね。

 

そしてBAR追分で出してもらったオムライスを食べたとき、

彼女は決心することになるのです。

 

心を惑わす選択肢にNO!!を突きつけることを。

そして気付いたんだろうね、想う人は自分じゃないことにね。

(まあ実は最初の作品にそれをうかがわせる描写があります)

 

おわりに

他の作品もいいけれども、

ここで紹介はもったいないので…

最後に出てくる伊藤純の思わぬ過去のお話は必読です。

 

そりゃあ自分から過去を話したがらないよな…

不本意だとはいえ、それはトラウマだもの…

 

割と宇藤君輝いているのよ。

決してダメな人じゃないの。

ただし妙に遠回りしたがる、不器用な人なだけ。

 

 

おしまい