超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【なぜかしっくりくる不思議】今井賢一『情報ネットワーク社会』

いけない日が続くみたいですね。

ここで腐るわけにはいかないよ。

ある人を推す人として、恥じない生活を送ります。

 

 

 

 

今井賢一『情報ネットワーク社会』

情報ネットワーク社会
今井賢一

岩波書店 1984年01月01日

by ヨメレバ

 

 

 

 

今や当たり前の世界

この本は今の当たり前に

ネットの世界がある時代の前に書かれた本です。

 

ところが、この本、さほど古臭さは感じません。

なぜかと言えばすでに未来をきちんと

予期しているからです。

 

よい側面の観測もしているのですが、

悪い観測の方もされております。

まあ、どういうことかは昨今のネットニュースを見れば

大体わかることでしょうが…

 

感想

懐かしいキーワードも散見されており

ネットの歴史を振り替える意味でも

なかなか興味深い1冊となりました。

 

情報の在り方に関してですが、

実は著者が言っていたことが

まあわかりやすく現実化していますね。

「情報の有料化」です。

 

私のブログでは有料化はしていない

(という過去の文章力でそれはおこがましいっての)

のではありますがね。

 

noteとか、いわゆるインフルエンサー的な人がやる

有料記事というのが今は探せばいくらでも

存在するものです。

 

ただし情報というのはその人にとって価値あるものかは

わかりづらいので、その価値を値段に可視化するのは

なかなか難しいように思えます。

 

…でも電子書籍があるから目安にはなるのか。

でもやっぱり個人の尺度になるよなぁ…

 

それとキャッシュレスに関してもですね。

これは実は驚いたことに大学内限定ですが

現存するある国立大学で当時としては異例の

キャッシュレス決済までやれていたのです。

 

刊行年が↑ですからね。

なのに関わらず、狭い範囲だけれども

「キャッシュレス化」

私は目を疑ってしまいましたね。

 

恐らくこの当時はネットワークの情報は

ごくごくごくごく限られた範囲でしか

用いることができなかったからこそ

この驚きの技術って伝わってこなかったんでしょうね。

 

それもすごいだけれどもね。

実はこの本には今でも通用する、

とっても大事なネットワークのかかわり方が

書いてあるんだ。

 

それはこの本の終わりに、の部分で

触れてみようか。

 

ほんの少しだけでいい、覚えておいてほしいんだ。

今想像の通りのことが起きているけど

根源はここじゃないかと思ってるの。

 

おわりに

それはね、本来はネットワークは自分で距離感というのを

推し測って利用するものなんだ。

適切な距離感というものがあって、

はじめてその「ネットワーク」というのは有益なものを生み出すの。

 

でも、いまはどうでしょうね。

あまりにも近すぎると思わないかな?

近すぎるとさ、思いやる感覚、なくならない?

というか、そもそもその先に人がいること、念頭にないのかな。

 

遠くからでも文章を伝えられる便利な技術。

それが正の方向に向いていれば技術の進歩を促進させるし

離れた場所で、というのは体にハンデを抱えた人の

助けにもなると思う。

 

でもね、負の方向に使ったらどうかな?

その文章は、確実にその人の方向へ向く。

よい言葉も、悪い言葉も。

 

悪い言葉はたくさんあるよい言葉の花を

あっけなく枯らしてしまうだけの力を持つの。

現実、何人その威力の化け物に打ちひしがれた人がいる?

 

私はこの古い時代のネットワークをかじっているから

そういう人たちがなぜ暴走するのか、理解ができないんだ。

でも、距離感がおかしいのだけは何となくわかる。

 

この技術が真の成功を収めるのは

遠いと思うよ、まだまだ。