超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【悪習をぶち破れ!!】荻原浩『花のさくら通り』

もうさ、この時点で火曜日までぎっちぎちに

予定が入ることが決定してしまったのだよ。

もうな、足の休養どころじゃねぇ!!

 

 

 

 

荻原浩『花のさくら通り』

花のさくら通り
荻原浩

集英社 2012年06月

by ヨメレバ

 

 

 

 

崖っぷち広告社の新事務所は…

もうなんというか相変わらずのがけっぷちぶり

今回も関係者に見事に騙されて

さびれた商店街の2階にオフィスを構えることとなり…

 

もうそりゃあ陰鬱な商店街です。

お定まり通りのシャッター通りです。

 

はじめは敵意をむき出しだった住民も

突拍子もないゆかいな仲間たちには…?

 

感想

ゆかいな仲間たちもこれで見納めとなります。

恐らくこれから先は書かれることはないと

私は解釈しております。

 

なぜかはおいおい触れますので(忘れなければね)

もう少しこのゆかいな仲間たちと

一緒に変わらないであろう物が

「変わっていく」時を共に過ごしたかったな。

 

これはこの商店街でも、

ありとあらゆること柄にも言えることなのですが

「変化をおのずから望まない」限り

変化というものは訪れないのですよ。

 

たとえユニバーサル広告社が

プランをひねり出したとしても

それにこたえる人がいなければ意味がないわけで。

 

だからこそ彼らはその「こたえる」ひとを

増やそうと画策するわけですよ。

 

だけれどもこの商店街、

近隣のスーパーにずいぶんひどくいじめられ

挙句近隣の別商店街も

最初のほうにあった放火事件のせいで

そこにあった店舗が関連商品を

ネタにされる被害にもあってるのです。

 

無論やられてばかりはいられません。

わるい杉山の超絶せっこい必殺技で

見事近隣のあくどいスーパーの

鼻を明かすことに成功するのです。

 

本当にやったことは単純です。

いわゆるネタを仕入れてくる人間に

いい加減な情報を教えただけ。

 

それも立派な戦略です。

せこいことをするやつらには

もっとせこいことで対応するのですよ(笑)

 

今回の一番のポイントは

商店街を牛耳る悪の傀儡とユニバーサル広告社、

そしてゆかいな仲間たちに賛同したものたちの対決。

 

こいつは巨悪ですから本当に最後まで

老害っぷりを発揮してくれます。

 

この言葉はあまり使いたくないのですが

こやつに限っては好き勝手搾取もしてきているので

こう呼ばせていただきますね。

 

だけれども、ゆかいな仲間たちのボスの計画で

彼らの商店街復活計画は通るんですよ。

経営はダメだけどボスはやってくれたぜ!!

 

おわりに

実はこの作品が結末になるのは

杉山と、愛娘の関係性ね。

これ、これから結婚する人はぜひ心にとめてほしいお話。

 

子どもはね、再婚してどちらかにつながりがない場合

本来の親に会いたいんだよね。

でもね、このケースでは…なの。

 

すごくここはもやもやだよね。

確かに杉山はある過ちを犯した結果離婚になったの。

でもね、娘だけは本当に愛していたんだね。

 

それを拒否する権利、どこにあるんだろうね。

 

離婚は否定しないけどこれで傷つく子がいることだけは

ぜひ知っておいてほしいね。

 

あ、もう一つはある異例の存在の子たちの

恋の物語よ。

 

もう君たちはアツアツだ!!と思いましたね。

彼女の言った言葉「どんな彼(一応本文人名)でも彼だ。」

 

至言だな。