超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【相棒はどこへ行った…?】梨木香歩『冬虫夏草』

 

これ明後日も決まりだろうけど

青の波にのまれるかねぇ。

 

 

 

 

梨木香歩『冬虫夏草』

冬虫夏草
梨木香歩

新潮社 2017年05月27日

by ヨメレバ

 

 

ゴローはいずこへ…

亡き友の家を守る男はふとした異変に気付きます。

 

確かに気まぐれに太いなくなるゴローが

もう2か月姿を見せていないのです。

 

もしかして最悪の事態が…?

 

何度か目撃情報のあった

鈴鹿の山へ、綿貫は赴くことに

なるのでした。

 

感想

日常に見えて、よくよく読んでいると

それが日常では…な不思議な作品です。

あまりこういう作品は見かけないので

本当新鮮なんですよね。

 

今回は旅先とあって

唐突に現れるボート君こと(?)高堂の出番は

控えめとなっております。

 

だけれどもきちんと登場しますからね。

(ただしイレギュラーな登場のため

綿貫は声を出しちゃったけど)

 

この作品の最大のミステリーである

なぜ行動がこうして出てこれるかの謎は

結局この巻でも出て吐きませんでしたね。

 

でもね、これって突き詰めるのすごく野暮だと思うの。

ただ、ちゃんと疑える要素はあるんだけどね。

ここでは明かさないよ。

一応後半の方でちょろっと出てきます。

 

この鈴鹿の山の中は本当に不思議の塊。

河童が普通にいたりするのもすごいんだよね。

それを普通にしている綿貫もやっぱりすごい。

 

で、彼と今回割と接点のある

南川もなんかすごいんだよなぁ。

確かに研究畑の人ではあるのだけれども

そういうのを完全には否定していないのよね。

 

まあさすがに綿貫のやさしさのせい(?)で

亡くなった女性を連れてきてしまったことには

驚いていたけれどもね。

 

こういうところなんだろうな…綿貫が

どーも文章の売れ行きがはかばかしくないのって

現実の女性にはさっぱり持てないのに

亡くなった人(しかも人妻)にはついてこられちゃうというね。

 

ちなみにこの作品のカギともいえるのが

イワナの夫婦(?)が営んでいる宿。

 

結構この正体は終盤まで引っ張られますが

その真実が明らかになるとなかなかパンチが利いてましてね…

このイワナのそれは…というあまり見たくないものが。

 

それと不思議なことにイワナは姿を変えている

場合もあるようで…

そこに関しては不思議描写だけど

考え方によってはなかなかグロいかもしれません。

 

そして最後には…

 

おわりに

不思議な世界にずっと取りつかれている感じでしたね。

特にイワナのそれはある種の場面が強烈だったな…

案外山にそういう人いたりして…

 

行方不明になった場合は…なのかもよ?

 

ちなみに話に出ていた人の別作品もあるから

もう1つの作品と含めてこの方は追いかけるよ。