超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【家族を亡くした男が巻き起こす波乱】山本一力『早刷り岩次郎』

 

明日も行くよ。

週間予報青いけれども

2回裏切られたのであまり信じないもん!!

 

 

 

 

山本一力『早刷り岩次郎』

早刷り岩次郎
山本一力

朝日新聞出版 2008年07月

by ヨメレバ

 

 

 

 

ただものではない男、現る

その男は、震災により家族、仲間を

ことごとく失ってしまいました。

 

それは大変痛手です。

普通ならばここで心は荒れ

すさんだ行動をとってしまうでしょう。

 

だけれども彼は違ったのです。

もともとやっていた業種を少し変え

瓦版を作る生業へと変えます。

 

しかも早刷りをウリとし、

少々高めで、なおかつ

2000枚以上は絶対に売らないという

なかなかハードルの高いもの。

 

そんな彼の苦労と活躍を描いた物語…

 

感想

本当にこの岩次郎はただものじゃないんだよね。

きっと家族が生きていた時も

この真面目そのものの経営方針だったんだろうね。

 

彼はもうなくなった彼らたちに報いるために

この茨ともいえる道を切り開いていくのです。

 

無論最初からこの釜田屋の早刷りは

順調だったわけではありません。

 

本格的に稼働する前に

試作版を出しているのですが

思わぬ結果が出なかったのです。

 

実はこれは訳がありまして

彼らの業種をよく思わないやつらがいるのです。

 

それがライバルともいえる初田屋。

業種が被るのですが

彼らとは扱うものが異なるのです。

 

あちらは色系のも扱っているわけで。

ちなみに釜田屋はそれらは扱いません。

事件は扱いますが、裏はそれはそれは強固に

取っているのです。

 

あとはこれも今の走りかしら

今は個人情報上扱ってないけど

子供が生まれた情報もこの早刷りでは

やっているんですよね。

 

もちろん2000枚しか売られないこの早刷りを

売り出すにはそりゃあ工夫しています。

 

雨は売り上げが落ちると予想されていたので

使う雨具に関しても工夫していましたしね。

だけれどもこの時にはすでにこの早刷りは話題を

かっさらっていたので心配無用でしたけど…

 

ちなみに後半には岩次郎は幕府とある悪人の

人を惑わす情報に巻き込まれそうになるのです。

 

まあこの悪人は実は初田屋のとんでもない弱みを

握っていたんですよね。

 

この事実に関しては言葉は濁しますね。

要するに色関係が絡みます。

(だけれどもこの色関係そうさせたやつも悪いんだよね

本当この種の欲ってたち悪いんだから!!)

 

それゆえに危うく初田屋はこの悪党の命令を

飲みそうになったわけです。

 

終盤にはこの悪党と他もろもろの

悪をつぶすためにライバルが協力することになるのです。

 

確かに初田屋はあこぎなことはするけれども

元が決して贅沢すぎるわけでは

ないですからね…

手法が汚いだけ…って良くねぇか。

 

おわりに

実はこの作品、実質岩次郎無双です。

部下思いで確かにこの仕事は激務だけれども

ちゃんとねぎらうことも忘れないし、

部下を発奮させるためのお金は本当に惜しまないの!!

 

人材に関しても手抜かりは一切しないの

だけれども鬼かというとそうではないのよね。

だってライバルの初田屋ですらつぶそうとはしなかったの。

飼いならすという時点で…強すぎなんよ。

 

続きがないのが惜しいかも。

なお私、著者の別シリーズすでに読んでいたのよね。

その作品、また読みたいなぁ…

 

おしまい