超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【日常に不思議が紛れる】梨木香歩『家守綺譚』

 

人は時に無力なものですな。

だけれども前を向くしかないのです。

 

 

 

 

梨木香歩『家守綺譚』

家守綺譚
梨木香歩

新潮社 2004年01月

by ヨメレバ

 

 

 

 

家守の男が体験する非日常

ひょんなことから亡き友人の実家の

家守をすることになってしまった…

 

そんな彼は売れない(!)物書きでした。

生活は無論ビンボーそのもの。

だけれどもなんだかんだ生活していました。

 

そんな彼の周りでは

不思議なことも起こって…

 

感想

久しぶりに刺さる作品がやってまいりました。

ズッキューンと来るのですよね。

こういうのに出会った場合は。

 

著者の作品は映画化もされた

別作品のほうが有名でしょうね。

私はちらりと映画だけは見た記憶が…

(むろん本のほうは私の方針上未着手)

 

普通に不思議があって、

それを当たり前に受け入れられてしまう

ヘンテコだけれども優しい世界なんだよね。

 

主人公の綿貫はまあへっぽこさんだけれども

なんか憎めないんだよね。

 

時にお守りの効能をなくしてしまうへまもしたり

山内君に今は亡き友人の高堂の作品を

書くようにせかされたり…

 

彼は意地でも書かないつもりの様ですが…

多分、書きたいんだと思うのですよ。

だって忘れがたい友人ですもの。

 

だけれどもそれを書いて思い出にしてしまうのが

怖いように見受けられるんですよ。

 

実を言うと、行動はちょくちょく彼のところに

しれーーーーーっと(!!)やってくるんですよ(笑)

 

ええ!!と思うでしょ?

本当にやってきますからね!!

掛け軸からボートを漕いでやってきたり

たまに思いっきり乱暴に舳先を向けてやってきたり

そうかと思えばしれっと寺から降りてきたり…

 

一応「亡くなって」る扱いなんですよ。

だけれども、その行方不明が不可解なんですよ。

なのでもしかしたら…ですが

これは終盤に否定される形です。

 

それと序盤にイッヌさんと出会い飼うことになります。

まあ買うといってもこのイッヌことゴローは不思議なやつで

ミョーに人間臭い部分があるんですよ。

ただの犬じゃないんだよね。

 

他にもみょうちくりんな描写はたくさんあって

もうしょっちゅう綿貫氏は狸に化かされてるんですよね。

1度2度じゃないんだわ。

もうお友達でないかと思えるぐらいにね。

 

だけれどもそんなヘンテコな日常も

彼は当たり前に受け止めてるし、

ゴローに食べ物を分けてくれる隣の奥さんことおハナさんも

ヘンテコな日常を当然と思ってる。

 

そう思うとこう生きている日常って

見えないところだったらヘンテコなの多いのかもね!!

 

おわりに

なぜ刺さるかと思ったら…比較しちゃいけないので

その作家さんの名前は出しませんが同じくそのテイストを

出すのが得意な方がいらっしゃって一時期はまった経験があります。

 

だからか!!と思ってしまいましたね。

あ、続編と関係作品も読みますね。

 

おしまい