超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【人はひょんなことから、鬼になる】平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳(八)』

 

これはきっと一週間出ずっぱりかもしれません。

雨にその時間帯に見舞われない場合

残念ながらそうなります。(足のライフはもう0よ!!)

 

 

 

 

平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳(八)』

はやぶさ新八御用帳(八)
平岩弓枝

講談社 2018年07月13日

by ヨメレバ

 

 

 

 

色事は災禍をもたらす…

男女の関係というのは時に災禍をもたらすものです。

特にそれが本来の関係ではないものの場合は

発覚した場合はそれはそれは恨みを買うものです。

 

そんな作品も多いのですが、

ある作品に関しては判明しても

非常に心の重いものでした。

 

感想

今回はシリアスなものばかりですね。

そのためかモテ男である新八郎のモテ描写も1か所のみと

至極控えめとなっております。

 

まあこれはおまけ程度のだから

そもそもあまり期待してはいないんだけれどもね。

 

いわゆる別の女性との…的な作品で

飛び切り恐ろしいお話は

賊を捕まえて打ち倒してしまった家で起きた

その家の主の怪死事件ですね。

 

なぜそうなったかというと

その男は外で女を作っていたから。

ただし、この男は決してたらしではありませんでした。

 

そう、彼は妻とその母親に

いいようにこき使われていたのです。

 

5年たてばお金関連を自由にするとは

言っていたものの

ただ働きをさせていたんですよ?

そんな甘い話は嘘だと思うのが普通でしょう。

 

まあこの時点でわかるでしょうが

最初の賊の事件はこの主がやったことです。

 

そして怪死に関しては…

ですがきっと彼はこの運命からは

逃げられなかったでしょうね。

 

あんなどうあがいても絶望な状況ならば

知恵を絞っても逃げられませんし。

 

開始の真相はこの本を読んで

確かめてほしいところ。

ただ胸はすく思いに最後はなるはずですよ。

 

そして…私が一番印象的に映ったのは

最後に出てくる作品ですよね…

 

これは新八郎がとんだ狼藉集団に襲われたときに

助け舟を出してくれた老武士にまつわるお話。

(最後に事件と老武士の関係が明らかになります)

 

どうやら襲われた周辺では紫の頭巾をかぶった者たちが

やりたい放題していたようで…

 

そしてそれは最悪の形として

とんだ事件になってしまうのです。

 

これは真相知ったらゾッとするんだ…

最初の事件の現場は意図的に状況は仔細には伝えていません。

最後に二語の壮絶な言葉がその残忍さを見せているんですよ。

 

最初のさる家の兄弟は…

それはつまりなわけで…

 

これね、今のご時世でもある事柄なんだよね。

ここまでひどくはないけど集団だと何も怖くなくなるんだろうね。

 

でもそれってすごく哀れなことだと思うんだ。

そこから集団、が消えたとき、何が残るの?

個になった自分たちには何が?

 

それがないのならば、あまりに寂しいことだよね…

 

おわりに

人はね、優しいものだけれども

いろいろな状況で鬼になってしまうんだ。

 

私にも鬼になるときはあるんだよ。

ただそれは正の方向性を向いている、本気のときね。

 

負の方向に向いている鬼は

たちが悪いんだ。

もうそうなると救えないよ…

 

くれぐれも、自分は壊しちゃあいけないよ。