超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【不思議なチームのカタチ】桂望美『週末は家族』

 

明日もしっかり行ってまいります。

足休みが欲しい…

 

 

 

 

桂望美『週末は家族』

週末は家族
桂望実

朝日新聞出版 2012年01月

by ヨメレバ

 

 

 

 

類まれな演技力を持つ少女

その少女は児童施設の劇で

素晴らしいまでの演技力を発揮した子でした。

 

それに惚れてしまった夫婦が

彼女を週末だけの里親として

面倒を見ることになりました。

 

彼女は時に劇団の仕事とは別の

ちょっとだけ特別なお仕事をすることがあったのです。

他の人の「家族役」としての仕事を…

 

感想

実はこの本はマイノリティー要素もあります。

大輔の妻であるみずほがそれに該当します。

いわゆる無性愛者ですね。

 

ただこの分類って結構曖昧なんですよね。

まったくない場合もあるけれども

少ししか抱かない場合もあるのです。

 

ただし瑞穂の場合は…まったくのほうに近いのかな。

一応結婚こそしていますが

事務的な形だけの結婚といえましょう。

 

本当このマイノリティーは

一番理解されないやつなの。

恐らくいつまでも結婚しないの言われるケースに

こういうのって一定数含まれるのよね。

 

私の場合は別のところに原因があって

残念ながら世にいう普通らしき形の

恋愛はできないわけで…

 

そしてそんな不思議な夫婦のもとに

やってくるのが加島ひなたという女の子です。

 

彼女ね…大人というものを信用していないんだわ。

なぜかって?

彼女の理解してほしいことを理解していないから。

 

その原因が施設の職員のサトーのせいだね。

すべての子供を「子供と言ったら」の枠で

収めようとするまさに言っちゃ悪いけど無能職員ね。

 

まあ大体において人員が足りないのもあるんだろうけどね。

だからこそ人よりも輝くものをより持っている

ひなたにとっては大嫌いな人間なわけ。

 

それと実母も大嫌い。

これは理由があるよね。

いわゆる若くして…の典例ね。

 

本当はこういう子は減ってほしいんだわ。

子のいきさつの部分はうちの会えなくなった悪友と

似ているポイントがあるからなお一層読んでいてつらかったな…

 

だけれどもね、それは言わないとわからないんだ。

それは里親になった大輔が言ったこと。

 

確かに大輔は考えは変わらない。

それ故にいつまでたっても演劇はからきしだけれども

大事なところはしっかり持っているんだよね。

話は聞かねぇけどな!!(笑)

 

それと彼は「よくある枠」なんてくそくらえと思っていて

あるお仕事のときにひなたに意地悪を言った

とんでもない少年に向かって面と向かって

まっとうな反論をしてくれたの。

 

本文ママではないけれども

家族のカタチは父母そろった形式とは限らないということ。

そして実子ではない場合も総じてあるということ。

 

それを俗にいう「一般的とか自称する形」でないから

批判したり、バカにしたりする…

本当に悪い風潮だよね。

 

そんな形式ができるんだったら誰だって当たり前にするさ。

でも人はその数だけいろいろな人がいる

だからこそ何が家族かは違うでしょう?

自分から遠い位置の人にとやかく言ってもね…

(まあ明らかにアレなのもいるけれどもそれは視界に入れぬ)

 

なので結構重たい作品ではありましたね。

 

おわりに

今回は文章が長くなりましたね。

感想では触れませんでしたが

実はひなたと似た境遇の子が出てくる場面があります。

彼女は自ら、家族から逃げていきました。

 

家族がそろってもダメな時ってあるんよ。

私がそうだった。

だからすべてそろって当たり前な風潮、やめような。

できない人だっているんだ。