明日は残念、休めません。
愛するお猫様の奴隷+買い出し。
しもべはきちんと任務を全うします。
村田エフェンディ滞土録 KADOKAWA 2007年05月25日
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仲間たちとの楽しかった日々
なぜ「た」になっているかって?
それはね、全部読んだときに理解できることでしょう。
別シリーズでも名前の挙がっていた村田君の
トルコでの留学記です。
様々な国籍の仲間たちとの
束の間の交流。
しかしながらだんだんとそこには
暗雲が立ち込めてきたのです。
やがて、村田も祖国へ帰るのが決まってしまい…
感想
「家守奇譚」は刺さる作品でしたが
この作品「も」大変に刺さる作品でした。
刺さり方は違いますけど
よい作品だと感じましたね。
ちなみにですがこの本、
高校の課題図書(2005年度)に
なっている本です。
なぜこれに選ばれたかは本中に込められる
とっても大事な2つの文章があるからです。
私は人間である。およそ人間に関わることで無理なことは一つもない
と
これはまるまる引用でなく
要約しているので引用表現はしませんが
「人は過ちを繰り返す 繰り返すことで何度も何度も学ばねばならない」
ね、すごく深い言葉でしょう。
この言葉を覚えたうえで読み進めていくと
より先の展開が刺さるものとなると思います。
物語はムハンマドが拾ってきた(!!)
奇妙な言葉しかしゃべらないオウムからはじまり
仲間と発掘の現場に行ってみたり、雪で遊んでみたりと
何気ない日常です。
だけれども時に著者らしく神様が奇怪なことを起こしたり
なぜ村田が稲荷が苦手なのかも判明したり
やっぱりこの方の作品の色を感じますね。
そして、だんだんとこのトルコにも不穏な空気が流れてきます。
それは突然いなくなってしまった
アヌビスの像を探しに行った時に判明するのですが、
どうやらトルコの地にも騒乱の影がちらつき始めるのです。
そして村田のもとへは期間が告げられることとなって…
これで終わりと思われるでしょう。
でもね、本当の物語はこれからなんだな。
これが一番のこの作品の見せ所だけれども
はっきり言って、読むのがめちゃくちゃつらくなります。
だってね…うん。
(お察しください。もうすでに感想文の中に
答えは出てしまっています)
そしてね、村田のもとには
大事な仲間たちから託された「あいつ」が
やってくるのです。
存在はちがうけれども、
欠かせないメンバーだったアイツがね。
でも、こんな形、
誰も望んでないのに…
おわりに
あ、今まで一番感想書くのつらいやつだ…
あの言葉を見て気づくよね。
今もその過ち、繰り返してるよな。
もう何年たってるんだろうな。
まーだ繰り返してる。
この物語で別シリーズの
つながりが見いだせるはずです。
あの生き物がなぜいたかもね。
刺さりすぎたわ。