超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【タイトルにパンチがあるわね】歌野晶午ほか『川に死体のある風景』

 

とても暑い日が続きます。

くれぐれもぶっ倒れないようにね…

 

 

 

 

川に死体のある風景
歌野晶午ほか

東京創元社 2006年05月

by ヨメレバ

 

 

 

 

川にいてほしくないもの

タイトルが日常的になっていますが

そんなものはできればいては欲しくないものですね。

多分うっかりでも見かけてしまったら

私は気を失ってしまうと思います。

 

6つの川での事件たち。

それぞれの作者はどう紡いでいくのでしょうか。

 

感想

どの作品もとてもよかったです。

 

全部取り上げてしまいますとこの記事はえらく長くなり

物好きなこのブログを読む皆様は

あくびをこらえる羽目となりますので

よかった作品を取り上げていきます。

あしからずご了承ください。

 

最初の作品はゾッとさせられる作品ですね。

一見すると高校生の悪ふざけかと思うでしょう。

 

だって死んでいる、と思われた川に浮かんでいた

男子高校生秋山は死んではいなかったのですから。

 

どうやら彼は友人と組んでとんでもないことを

やらかしていたようなのです。

しかしどうも友達は連絡が付きません。

 

そう、ご想像の通りです。

彼らは殺されていたのですから。

 

真相に関しては多くは語りません。

現代の暗部を真相部分に取り上げているのですから

しかもこの真相は質の悪いもので

決してこの事件の真実を告げることができない

枷のようなものなのです。

 

これは現実にありそうでいやな作品でしたね。

 

あとは川に死体のある風景ではあるものの

山岳ミステリーの色が濃い作品があります。

 

沢に滑落死した一人の男から始まる疑問…

そこには救助された側とその被害者に

思わぬ関係性があることが分かったわけで…

 

これはね、実は最初の事件のときに

とんでもない手段が使われていたわけで。

恐ろしいことをやってのけているのよね。

 

真相に関しては本当にどこまでも関係者は

救いようのないクズだな、と感じた次第です。

 

いわゆる「やってはいけないこと」を犯し

結果最初の被害者の疑惑を抱かせたのですから。

こういうやつは山に入ってこないでほしい。

 

そしてこれが最後…

学生アリスシリーズが絡む作品ですね。

 

この作品は何だろうね…とっても胸がきゅっとして

苦しい感じになる作品です。

 

なぜかはまあ学生アリスシリーズに絡むものから

容易に想像はつくとは思うのです。

 

この作品に関しては殺人は一切絡みません。

ただしタブー要素だけは絡むかな。

ただしタブーだけれども死んだ人に悪さはしていません。

(死体を毀損したとかね)

 

なぜその行動に至ったかを知ったときに

人というものの接点はかなわないものだと

あまりにも悲惨な結果を生み出して今うんだなと

悲しくなりましたね…

 

そりゃあこの事件は「他言無用」だよ。

掘り起こしちゃあ絶対にいけない。

起こしたら何もかもが壊れちゃうから…

 

おわりに

ここでは取り上げなかった作品の1つはあとがきが面白いのです。

なんだか著者が挙動不審でかわいらしいのです。

 

作品としてはとっても悲しい作品ですね。

この作品は一応殺人が絡むものです。

でもね…

 

ちょっとだけわかりづらい作品もありましたが

それは世界観が好きだから別に気にならなかったかな。

 

よい本たちだった!!

(結局長文やらかしたなお前)

 

おしまい