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【なぜ彼は齢77にして立ち上がったのか】高田崇史『QED 源氏の神霊』

明日は筋活に行く予定。

エコバックちゃんとたたんでおかないと。

一応そこそこ買い出しもするからさ。

 

 

 

 

QED 源氏の神霊
高田崇史

講談社 2021年03月19日

by ヨメレバ

 

 

 

 

祟りが起きた…?

今回はそこにあるものを毀損したら

祟りが起きるぞ、という場所で殺人事件が起きます。

こともあろうか、祟りになる要素がそろってしまったのだから

さあ大変。

 

そんなことを知らず、今回二人は…

なんと再婚することになって妹のもとへ向かうのですが…

 

感想

なかなか二人の恋は進展しませんね…

と言いたいところですが、貴重な彼の笑顔の描写が

あるんですよね。

 

まあ、そういうのは少しだけで

あとはいつものタタル氏でありますが。

 

今回は源平合戦がメインテーマ。

その中でも安定した老後を送っていたはずの

源頼政をメインに取り上げています。

 

兵をあげたときにはなんと77歳だったのだから驚き。

しかも明らかなる負け戦になると

わかっていたのに、彼は挙兵したのです。

どうしてそれがなされることになったのか。

 

今回の事件もきちんと源平合戦になぞらえたものに

なっています。

実は登場人物のものの見方に違和感を覚える描写が

垣間見られるところがあります。

 

第二の死体が出てくるところで

関係者の発する発言に違和感を覚えるのです。

その違和感は思わぬ形で

タタルが黒幕へと指摘することになります。

 

この真相に関しては本当に胸糞なんですよね。

家というもののしがらみもそうなのですが、

関係者に降りかかった事柄もまた

悲惨そのものです。

 

本当に思うのですよ、

こういったしがらみがいかに人間の視点を

狭めてしまうかということを。

 

これはこの時代のことだけではなく、今でも同じでしょう。

私が大嫌いと別のところで豪語しているある分類の人たちの

ボロが出ているのを見ればね。

(あの人たちは排除だけしか考えないから大嫌い、その先がない)

 

まあある分類の人は論じる点が違うのでここまで。

とにかく、今回の犯行までの経緯は本当に

誰一人救われるものではないです。

 

ただし今回は珍しく、きちんとした形で

解決の目を見ています。

多分シリーズ通してもこの終わり方はレアじゃないかな。

 

そしてラストですが…

うん、すべてが終わった後にここまでくると

切なさしかねぇんだよな。

 

おわりに

タイトルの前についているそれの真相は触れないでおきましょう。

これ作品の一番の肝ですからね。

そしてなんで壇ノ浦ではあのような悲劇の終わり方になったかも

触れないでおきます。

 

本当怒涛のボリュームでタタル先生のありがたいお話が聞けるからね。

歴史って複雑だし、脚色も多いよな、と感じましたね。

 

さて、次の巻で刊行分はラスト!!

長かったねぇ!!

 

おわり