超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【詐欺師に訪れた悲劇】大沢在昌『語りつづけろ、届くまで』

 

ようやくあることを達成できました。

あ、達成できたからってこれからに

何も変わりはありません。

 

 

 

 

大沢在昌『語りつづけろ、届くまで』

語りつづけろ、届くまで
大沢在昌

講談社 2012年04月

by ヨメレバ

 

 

 

 

怪しい事柄に誘われたら…

今回は珍しい(?)ことに不運な坂田勇吉氏は

どえらい目には1回しか遭っておりません。

今までの手ひどいボッコボコに比べればボの字も出るかも

疑問なぐらいのえらい目です。

(だけれども無論痛いです)

 

今回はその誠実さを買われたのはいいものの

どうやらかかわったものはいかにも胡散臭い

詐欺商品の販売セールスだったわけで。

(枕が25000円!!)

 

もう詐欺とわかってしまった坂田は乗り気じゃなく。

それに警察も関わっていたのでなお一層。

 

だけれどもこれだけじゃあ終わらなかったのよ…

 

感想

この作品も感想長くなっちゃうかもな…

モバイルの人は本当ごめんね?

もうこういうスタイルだと思ってあきらめて

ブラウザバックしてくれてええんよ?

 

そうでないお人よしの人はありがとうな。

 

今回の事件は結構真相部分が複雑に入り組んでいます。

そのために読みごたえがあると感じました。

それでいて疾走感はシリーズ通してあって

著者の技術力の高さを感じました。

 

今回は坂田は詐欺の片棒を危うく担ぎそうになります。

その前にある男が殺されているのを発見し

通報することになったのです。

 

そして出てきたのは詐欺の捜査に協力する名目で

坂田に近寄った警察官2名も

ことごとく偽物であったということ。

もうこうなっちゃうと何が真実がわからなくなりますよね。

 

ちなみに今回詐欺の片棒を担がせようとした男は

玉井早雄という男で何回も詐欺をやらかしています。

 

そして玉井はこともあろうか反社と手を組んでいたんですよ。

しかもその前に搾取した金をこともあろうか

奪われてしまっているのです。

 

また隠したのが玉井の母親の来ているNPO法人の

演場内の段ボールの中というんだから…

(まあ額も額だからしゃあなしだけど)

 

そういうことをやらかしたのでむろん玉井は

被害者の男を殺ったと無論疑われ

怖いお兄さんたちにとっ捕まえられてしまいます。

 

それを助けたのは、歴戦の猛者という裏を持つ

われらが坂田勇吉だったわけです。

 

本当臆することなく彼は出てくるさまざまな事実から

どうしてこの事件が起きてしまったのかを

解明するとともにその「ヤッバいカネ」の

ありかも知ることができたわけです。

 

まあ、実を言うとね、坂田のほかにも

もう数名、VIPをあげたいつるかめ会のシニアたちが

いるんだよね…

 

彼らが果敢に立ち向かったからこそ

ちゃんとすべてが明らかになったと思うの。

 

おわりに

ちなみにこの事件の真相部分はあまりにも悲しい

「すれ違い」が招いた悲劇でもありました。

あと謎を残した過去ね…

 

それがなければきっと、

こんなことも起こらなかっただろうに。

 

今回はそんなに痛さはないので

安心して(?)読んでくださいね。