超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【その男、思わぬ過去あり】池井戸潤『下町ロケット』

あまりにも体がひどいんだな。

節制という言葉を覚えましょう。

 

 

 

 

池井戸潤『下町ロケット』

下町ロケット
池井戸潤

小学館 2010年11月

by ヨメレバ

 

 

 

 

ある男が巻き起こすひと騒動

その男は、途方もない夢を追っていました。

そのために町工場を継ぐのに抵抗し、

まさに彼の理想通りの場所へ行くことができました。

 

しかしながら、

運命は彼には味方してくれませんでした。

大プロジェクトとなったプロジェクト。

そのエンジンに男は関わっていたのですが

悲しきかな、打ち上げは失敗に終わったのです。

 

打ちのめされた彼は

宇宙科学開発機構から去っていったのです…

 

感想

そう、おわかりでしょう。

彼はとてつもなく輝かしい経歴を持っていたのです。

しかしながら、上記の失敗により

その舞台から降りてしまいました。

 

工場の方もまあパッとしないどころか

崖っぷちも崖っぷちの大ピンチ

しかも悪徳極まりないパクリ工業(!!)に

訴訟まで起こされてもうどん底ったらありゃしない!!

 

だけれども思わぬところに

解決の糸口はあって、

彼(佃航平)はこのいきさつで離婚しているのです。

 

まあ気力をなくした男がふられるのは

理解できなくもないけどね…

 

そんな元嫁があるアドバイスをくれたことにより

訴訟に思わぬ光が見えてくるのです。

 

で、これにて第一部終了ね。

あ、ここからが大事ですからね。

 

別のある会社がロケットのプロジェクトに

挑んでいたのですが実は…

佃製作所が先に特許を取ってしまったがゆえに

その会社、使いたかった技術を使えなくなったのです。

 

何とかしてこの特許を獲得しようとする

巨大企業、帝国重工が第二ラウンドの相手です。

 

まあこういう企業って傲慢な面があってね…

最後の最後までこの佃製作所の鼻っ面を

折ってやろうと画策していた富山っていうやつがいるのよ。

 

まあこやつは手に負えないやつよ。

しかもある事件で佃製作所は部品提供がポシャる

大変な危機に見舞われてしまうのよ。

 

待ってましたとばかりに

こいつが打ち砕こうとするのだけれども…

 

でもね、この佃工業はもともとの社長が

もうプロ中のプロの男で

「過ちを繰り返したくない」思いであの特許は

できたものなんだよね。

 

そう、すでに彼は原因は突き止めていたの。

そしてリベンジすることを決めていたんじゃないかな。

その当時は役に立つなんて思わなかっただろうけどね。

 

でも不運の先にこういうことがあったの。

だからスポットライトは当たる運命だったんだと思うな。

 

おわりに

ただしこの本音、序盤が気が滅入るほどに

重々しくなるし、

やはり余裕がないところは社員も余裕がなくて

後半に反旗を翻す人も出てくるの。

 

そのうち一人はね…

まあSNSにいるような人と思っていただければ。

恐らく変わることを受け入れられなかったんだろうね。

 

救いなのはそのあとに彼は希望を持つことができたこと。

それだけはよかったな。

決して佃はそれをやらかしても

100%は責めてはいなかったからね。

 

さてこれもシリーズものだ。

無論きっちりこなしていくぜ。