超雑読と趣味と

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【読めば読むほど迷い込む】二階堂黎人『人狼城の恐怖 第三部 探偵編』

 

天気は持たないんだろうな…

だとしたら…いやだぁ!!

 

 

 

 

二階堂黎人『人狼城の恐怖 第三部 探偵編』

人狼城の恐怖 第三部 探偵編
二階堂黎人

講談社 1998年01月07日

by ヨメレバ

 

 

 

 

陰に潜む巨悪に立ち向かう

ついぞここまでやってきましたね。

長い長い(?)道のりでした。

(まあ著者のは長くてもサクッと読めるので気にならないけど)

 

ふたつの事件は示されて、

ついぞ名探偵が動き出すことになります。

ところが、さすがの名探偵でも

このスケールのでかい事件は苦労しているようで。

 

感想

このシリーズの長編は「あるもの」と蘭子の

果てしなき戦いだと思うのですよ。

それは前に読んできた作品たちの

結末を読んできてもわかることで。

 

そしてこのシリーズで感じることは

最初の作品の「ある人」の喪失への深い後悔ですね。

 

実は今回のフランス・ドイツ行は

このある人関連だったわけです。

ただし、ある人の遺志はその案件には近づくな、でした。

 

でもそんなこと、オカルトを信じない蘭子が

守りきるとでも思いますか?

んなわけないない(笑)

 

はじめは躊躇しましたが結局話に乗りましたもの。

しかも外務省の後ろ盾付きの

鳴り物入りでの渡仏ですからね。

 

で、今までの事件も振り返っていくのですが

実は片方の事件は結構アレな要素が

ついて回ってきます。

 

その真実が実質揺らぐような状況下に

記録を持ったものは陥れられていたこと。

ただし、この事柄に関しては

実は過去作にも同様の事例が出ているので

特段新鮮ではありませんが。

 

それと一部トリックには

被体験側には決してその特性上看過できない

トリックが用いられていたということ。

 

それを思いついたのは渡仏時に

ある奇術師に出会ったことから何となく

判明したそうな。

 

一応なんとなくにしているのは

この事件そのものがある種浮ついた状態にあり

正直現場すら存在しているのかも怪しい(!)状態にあるということ。

もうこの時点で前代未聞な話よね。

 

そして証言者も見事なまでにデリート(抹消)されています。

最悪の意味の方でですからね…

もう背後に控えているやつが。

 

で、ラスト数ページですよ。

待たせやがって、と思いつつ楽しみではあります。

 

おわり

魅せに魅せてくれるじゃあないの。

こういう本は読みがいがあるし、

感想を書くのも楽しみだねぇ。

(あ、例の人のは言うなよ。本人自覚済みだと思うから)

 

次で遂に完結。

何が彼らの目の前に現れるのでしょうか。

 

おしまい