超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【いっつも素寒貧!!】柴田錬三郎『御家人斬九郎』

 

なんて暑いのでしょう…

今日で落ち着くみたいなのですが…

 

 

 

 

柴田錬三郎『御家人斬九郎』

御家人斬九郎
柴田錬三郎

集英社 2015年06月25日

by ヨメレバ

 

 

その者、人斬りなり。

貧乏がゆえに本業では食べていけない…

そのために請け負った副業は決して表には出せない

罪人を切る仕事で。

 

だけれどもそこになぜか陰鬱な雰囲気を感じないのが

この超人ともいえる男、通称斬九郎が

まあまあいろいろとだらしないから。

 

そして頭の上がらない母上は

まるでどこかの大食いの人も真っ青な

食べっぷりを誇るから。

 

感想

といっても実は斬九郎の家族は結構複雑なんですよね。

長男と次男は実は父親の苛烈な剣により

命を落として(!)いるんですよ。

 

子供にすら一切容赦しない父もやばいよなこれ…

そのために彼の兄は養子へと入り逃亡します。

姉たちももう嫁いでこの母上のところには

一切寄り付きません。

 

そのとばっちりの矛先は無論斬九郎一人でございます。

このお棺には全く頭が上がらなくて

誰も不意打ちができないであろう斬九郎ですら

母上にはあっけなく敗れ去るのでございます。

(しかも彼をたたいた時に衝撃を残すぐらいに)

 

で、この母上はなんと79歳でございます。

え?と思われるでしょう。麻佐女79歳。

パワフル、大食い、芸事の達人。

 

もうね、異世界物の何かですかと小一時間。

だけれどもそういう時代にかかれていませんからね。

なので仕様でございます。

 

ただこの大食いの人、1回だけ

ある依頼のときに食欲をなくしています。

とんだ老人を預かることになるのですが

老人が手の付けられない奴だったわけで。

(のちに驚きの事実が判明しますが)

 

その結果この二人は将来安泰(?)を

逃す結果となっているのですけれどもね。

 

斬九郎は腕が立つけどまあまあ飲む買う打つの

三拍子がしっかりと(?)そろっているので

蓄財なんかあり得るわけないのです。

 

でもやるときは本当にやるのです。

明らかに不利な人数を相手にしたときに

効果的な手段(ただし褒められない)をつかって

相手を逃亡させることに成功させていますし。

 

あとは自分の身をだまして襲い掛かってきたやつの

ちょっとしたミスを見抜いて

見事に相手を討ったり。

 

本当にすごいんですよ?

だけれどもまあとにかく女には弱いのよね。

そしてお酒にも弱いの。

 

打つのほうは少ないかな。

1作しかなかった気がする…

 

なので結構裏家業をしている割には

まったく暗さがないのですよね…

 

おわりに

時代劇でやっていたな…そういえば。

麻佐女の役はイメージ通り過ぎて

ちょっとニンマリしてしまいました。

 

たまにこういうの読むのはいいな。

時間把握苦手だけどな。

(仕様です)