超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【みんな、おかしい】町田康「くっすん大黒」

明日も移動日になりそうな予感。

まあ久しぶりに週1の飲酒日ではなかったからいいんだよ。

 

 

 

 

町田康「くっすん大黒」

くっすん大黒
町田 康

文藝春秋 2002年05月10日

by ヨメレバ

 

 

いろいろとひでぇ(笑)

読んでいて少しして気づいたことは、まあダメな人間が集まると

カオスさってとてつもなく増強するということ。

主人公の男はなんとなく職を辞めてだらだら過ごしたら

妻に逃げられた典型的ダメ人間。

 

カネも尽きたから何となくバイトをしたら…

 

感想

もうね、ひどいの言葉しか出てこねぇよ!!

ひどいの集まりはもう世紀末としか言えないです。

 

一応2作品入っていますが

表題作はこの通りのダメ人間が

家にいる大黒様を捨てるために行動した結果

えらいカオスな目に遭うお話。

 

そのカオスな目というのは

なぜかある人間に関してかかってみたり(やっぱりその人間もダメ人間)

ひょんなことからダメ男がダメ大学生(!)のバイトの誘いを受けてみたり

 

その先々の展開がまあ「これはひどい」を何回も言いたくなるほどに

世界観が破綻してるのよ。

これってフィクションだからこそできる遊戯だよな。

じゃなきゃ社会問題になりそうだしな。

 

そのノリはね、次に出てくる「河原のアバラ」でも一緒。

これはあるおばちゃん(では実はなかった)をとっちめた

キレたダメ男の物語です。

 

このおばちゃん(?)ではないやつもダメ子と呼ぶのにふさわしいほどに

いい加減な行動を職場で取り続け、

その結果キレ男(!)にえらい目に遭わされてしまうのです。

 

ダメ子は本当に質の悪い奴で

何とかしてこのキレ男をとっ捕まえようとして

執拗に追っていたわけで。

 

で、キレ男は同じ職場の別の男の家に

逃げたわけです。

(まあ彼はまあまあまともなのかな…でもダメ男か)

 

そのあともやっぱりカオスで

これは何かの音楽の世界に迷い込んだんでねーの?

と思うぐらいの展開が待ち受けています。

もう明らかに法に触れているものばっかりだしね。

 

ある死んだ人の遺骨を持っていくところにしても

その死んだ男もまた持ってダメ男なのよ。

まあダメ男よりも、クズのほうがしっくりくるかも。

人として悪いところが凝縮されているのかな。

それがために痛い目見てるからね。

 

あ、そういえば冒頭のダメ子はなんでおばちゃん(ではない)になったかって?

これは終盤出てくる思わぬ情報でわかることでしょう。

え、マジ?となってしまいましたので。

 

おわりに

まあまあ登場人物みんな、ひでぇ。

本当なんかの破綻した音楽聴いているみたいだったわ。

こういう世界観そういうのだったらありそうだもん。

ただブルデスとかではないとは思う。

あれは死んでるもん。まあこの作品死人出てくるけどさ。

 

ブラックな感じが許せない人は読まないほうがいいよ。

 

おわり