超雑読と趣味と

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【おいてけぼり】吉野まほろ「探偵小説のためのエチュード『水剋火』」

明日は久しぶりの有酸素となりそうな模様。

うん、体は動かさないとね。

 

 

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吉野まほろ「探偵小説のためのエチュード『水剋火』」

探偵小説のためのエチュード「水剋火」
古野まほろ

講談社 2008年04月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 うーんとね…

これは…今までに当たった本の中でも5本の指に入るほど

とんでもない代物ですよ。はい。

序盤の時点で強く感じてしまいましたね。

 

一応このレーベルとは違ういわゆるライトノベル系のレーベルも

それなりには読むのですが、そちら系統にもこのような感じのは

ほぼないといっても過言ではないでしょう。はい。

 

感想

一応警告出しておきますか…

 

※この作品は文章に非常に強烈な癖があります。

特に序盤にその傾向が強いので場合によってはそのまま読めなくなる恐れがあります。

 

はい。

こういうことなのです。

ジャンルとしては百合陰陽師ミステリーといった具合でしょうか。

百合要素が所々に散見されます。

 

主人公は水里あかねという少女。

どうやら過去に何かをやらかしてしまった(しかもトラウマ級)により

地方の都市である実予に転校することとなります。

 

登校早々に出会うのがみょーにテンションが高い

謎の少女小諸るいかです。

何を隠そう、彼女は陰陽師の子です。

この子が一応探偵役となっています。

 

事件は実予を襲う謎の発火事件なのです。

現実に彼女の通う学校でもその事件は起きてしまい

負傷者を出すこととなってしまうのです。

 

こう普通に感想を書いてはいるものの、

この作品には大変な問題があるのです。

もうね、文章くせつよ。

文字を超大きくしたいくらいに強いのです。

 

特に導入部である序盤がとてつもなくひどく

地方特有の方言が入り混じっているのも相まって

シッチャカメッチャカなんですよ。

読んでいるこちらが下手すると参ってしまうぐらいに

著者一人勝ちという感じです。

 

展開が進んでいくうちに

落ち着いては行くんですけれどもね。

ただし、とっつきにくい癖のある文章は

終盤まで続くと思っていてください。

 

一応伝えておきますと

今回の事件の黒幕はある種あかりが抱えているトラウマと

関係していたりします。

 

戦いを引き受けるのは名探偵(?)コモだったりするんですけどね。

明らかなる強敵を前にしても、持ち前のテンションの高さ(?)で

追いつめていくんですよね。

 

この癖のつよつよ200%の作品ですが

実は事件解決後にあかりがあることに立ち向かうんですよね。

物語のところどころに彼女がかつて見舞われてしまった災禍の描写は

なされてはいるのですが、本当にラストでそれに真っ向対決することになります。

 

なのであかりは闇は抱えているものの

本当は物事をしっかりとらえてはいるんですよね。

でも、彼女の家族環境は明らかに優秀な兄がいる以上

どうしても劣等感を持ってしまう。

 

その葛藤がある種、闇を生み出してしまったのでしょう。

今回の黒幕を生み出してしまったのも

その元の人物が抱えてしまった闇でもありますからね。

 

 おわりに

心の闇の解消描写は悪くないのは救いだったかな。

ただし、テンションの高さと妄想がないまぜの表現方法は

人を寄せ付けないものがありました。

 

まあ私が見るたびにケチョンケチョンにする某作家さんとは違い

読者を馬鹿にする表現はしていないので

癖が強い、万人受けはしない方、だということは

お伝えしておきたいと思います。