ある事柄に決別しました。
さらば、私の忌々しい過去。
さらば甘き口づけ 早川書房 1980年12月
|
突然消えた少女
今回の依頼は10年もの間連絡もなく
行方不明になっている女性を探してほしいという依頼です。
主人公であるスルーはすでに別件の依頼(とんでもない飲兵衛)を
受けていたので断ったのですが押しが強かったので
やむなく依頼を受けることに。
ところが…
感想
この作品は結末ありきな作品となっています。
私はそう感じましたね。
最初の依頼は酔いどれおっさんを捕獲する(!)
まあとんでもない依頼です。
無論こやつに関してはドンパチの末きちんと捕獲されます(笑)
だけれどもメインの依頼(?)ともいえる
この娘の行方調査に関しては一筋縄ではいきません。
まあその娘というのも素行はお世辞には
よろしいとは言えない子でした。
だけれども演劇にその才能を持っていて
有望だったようです。
そして忽然と彼女は消えてしまいました。
そしてスルー氏の脚と時折脅し(!)の調査の結果
出てきた真実はとんでもないものでした。
恐らく読者はえっ!!と最初は思うことでしょう。
だけれども、おわかりですね。
これがあくまでも序章にしか過ぎないこと。
(ヒント:残りページ数)
そこからは思わぬ形で彼女の足取りは
追えることとなるのですが
そこからはその彼女がかなり厄介な問題を
抱えていることになるわけです。
まあ言ってしまうと…エッ…なものに出ていたのですよ。
それと金銭関係でも問題を抱えていたわけで。
なのでそっくりな人を見たという序盤の表現は
嘘でなかったことが証明されるわけです。
何とかして彼女を解放するために
スルーと最初に出てきた酔っ払いのおっさんは
彼女を利用している者たちに突撃していくわけです。
まあこの部分、本当に著者らしさを出していると思うのです。
ごっちゃごっちゃのぐっちゃぐちゃのカオスな。
多分最初に著者の作品を手に取ったら
面食らうクラスだと思いますよ。
(スルーの方じゃないシリーズの方)
だけれどもなんか癖になるんだからおかしいんだよね。
そしてすべてが終わると思ったら…
おわりに
この結末部分に関してはすごく出来がいいなと思います。
結局あの結末をもたらしたものは本文中では
明確にはしていませんが最後のスルーの言葉で
どういうことかは察することができるでしょう。
そうしなくても…と思うでしょう。
ただしそれは運命だったのだと思いますよ。
むしろ、そう思いたいわ。