超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【失踪した娘の行方】ジェイムズ・クラムリー『さらば甘き口づけ』

 

ある事柄に決別しました。

さらば、私の忌々しい過去。

 

 

 

 

さらば甘き口づけ
ジェイムズ・クラムリー

早川書房 1980年12月

by ヨメレバ

 

 

 

 

突然消えた少女

今回の依頼は10年もの間連絡もなく

行方不明になっている女性を探してほしいという依頼です。

 

主人公であるスルーはすでに別件の依頼(とんでもない飲兵衛)を

受けていたので断ったのですが押しが強かったので

やむなく依頼を受けることに。

 

ところが…

 

感想

この作品は結末ありきな作品となっています。

私はそう感じましたね。

 

最初の依頼は酔いどれおっさんを捕獲する(!)

まあとんでもない依頼です。

無論こやつに関してはドンパチの末きちんと捕獲されます(笑)

 

だけれどもメインの依頼(?)ともいえる

この娘の行方調査に関しては一筋縄ではいきません。

 

まあその娘というのも素行はお世辞には

よろしいとは言えない子でした。

だけれども演劇にその才能を持っていて

有望だったようです。

 

そして忽然と彼女は消えてしまいました。

そしてスルー氏の脚と時折脅し(!)の調査の結果

出てきた真実はとんでもないものでした。

 

恐らく読者はえっ!!と最初は思うことでしょう。

だけれども、おわかりですね。

これがあくまでも序章にしか過ぎないこと。

(ヒント:残りページ数)

 

そこからは思わぬ形で彼女の足取りは

追えることとなるのですが

そこからはその彼女がかなり厄介な問題を

抱えていることになるわけです。

 

まあ言ってしまうと…エッ…なものに出ていたのですよ。

それと金銭関係でも問題を抱えていたわけで。

なのでそっくりな人を見たという序盤の表現は

嘘でなかったことが証明されるわけです。

 

何とかして彼女を解放するために

スルーと最初に出てきた酔っ払いのおっさんは

彼女を利用している者たちに突撃していくわけです。

 

まあこの部分、本当に著者らしさを出していると思うのです。

ごっちゃごっちゃのぐっちゃぐちゃのカオスな。

 

多分最初に著者の作品を手に取ったら

面食らうクラスだと思いますよ。

(スルーの方じゃないシリーズの方)

だけれどもなんか癖になるんだからおかしいんだよね。

 

そしてすべてが終わると思ったら…

 

おわりに

この結末部分に関してはすごく出来がいいなと思います。

結局あの結末をもたらしたものは本文中では

明確にはしていませんが最後のスルーの言葉で

どういうことかは察することができるでしょう。

 

そうしなくても…と思うでしょう。

ただしそれは運命だったのだと思いますよ。

むしろ、そう思いたいわ。