超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【決して救われることはない】コーネル・ウールリッチ『恐怖の冥路』

忙しい水曜日は明日は「あり」となりました。

うわーん、いやだー。

 

 

 

 

 

 

 

ともに逃げたカップルは…

その女性は、夫をとても恐れていました。

なんとかして逃げたい、その計画に

彼女に恋をした男は乗りました。

 

逃亡先はハバナ。

しっかり計画したことだし

逃げおおせると思っていたのです。

 

しかし、それはかなうことがありませんでした。

彼女と記念撮影をしたときに

何者かの手により彼女は刺され、

この世のものではなくなってしまったのです。

 

しかも悲劇はそれだけに終わらず…

 

感想

主人公であるスコットが

そばにいたことからどうあがいても

疑えるのは彼しかいないという絶望的な状況。

 

そしてこともあろうに彼が証拠として

持っていたであろう猿のナイフは

いつのまにか彼が買ったものではない

別のものにすり替えられてしまったのです。

 

もうこれではおとなしく刑を待つのみ…

完全に絶体絶命ですよな。

でも…

 

そこで終わりたくはない!!

スコットは警察の目をかいくぐり逃げおおせたのです。

 

だけれども、異国のハバナ。

地理事情もわからない彼には不利ということ。

なんとかして隠れたはいいものの

危険な状況が続きます。

 

そこで出てきたのはちょっと悪さをしたけど

冴えわたる頭を持つイケてる女性

通称ミドナイトでした。

 

彼女は警察が大嫌いで

不条理に追われているスコットを

見捨ててはおけなかったのです。

 

聡明な彼女の手により

どうやらその悪しき計画にはやはり

殺された女性の夫が絡んでいることが判明します。

 

しかもどうやら、とんでもないことに

手を出していたようで…

彼らはある種口封じのために

消されるという算段だったようですね。

 

この作品ね…

最後まで読んでも本当に救われないの。

まあ理由は推測するにあまりあるよね。

 

何をどうこうしようが、

彼女は絶対にこの世界に戻ってくることはないの。

ある種のもとに存在を消されたから。

 

なおスコットはこの一連の事件で

かなり危ない目(彼自身がおとりを買って出るからね)に

あって最後には夫の手先により生命の危機に見舞われます。

 

しかも証拠を持っているであろう人も

掌握した状態でね。

でも…

 

この先も読んでいてつらかったな…

復讐の描写ね。

 

どんなに諸悪の根源であるローマンが

破格の条件を突きつけても

絶対にスコットは首を縦には振らないのです。

そりゃあそうだ、愛しのイーヴは絶対に戻らないから。

 

何だろうね、復讐を完遂して

その後の描写も悲しいんよ…

 

おわりに

モヤモヤが残る作品となりましたね。

仕方ないよなぁ…

だって絶対に愛しのイーヴは返ってこないもの。

 

だからこそ最後の数行が

とてつもなくやるせないんだよな…

悲しい…