超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【このタイトルの意味は…】瀧羽麻子『女神のサラダ』

明日はある場所一旦最終日。

しばらく天気が悪くて行けないね。

でもいけないとなると困る事態も。

 

 

 

 

瀧羽麻子『女神のサラダ』

女神のサラダ
瀧羽麻子

光文社 2020年03月25日

by ヨメレバ

 

 

 

 

女子たちの関わる農業

この作品のすべての主人公が女性です。

そして農業に関わっている人でもあります。

 

はじめから関わっている人もいれば

ひょんなことから関わることになる人もいます。

そしてこれから深く関わろうとする

学生も出てきます。

 

彼女たちは決して器用な人間ではありません。

人よりゆっくりしか物事ができなかったり

あまり人との交流を好まなかったり

自己肯定感が低かったり…

 

だけれども、農業というものに関わり

その自信を持てなかった心に

少しだけ踏ん切りがつくこともあるのですよ。

 

感想

最後まで語り切らない…

この形が非常に印象的です。

人によってはこの展開だと

「何でもっとやらない」と感じてしまうかもしれません。

 

それはごもっともな意見だと思います。

否定はしませんね。

 

でもね、そこで終わるからこそ、読者側に

想像をさせてくれる自由があるのです。

その先どうなったのか考えるのもワクワクだと

思いませんか?

 

私が個人的に好きな作品をあげるならば

一応関係の学校に通っていた経験上

農業大学校が舞台となる

「アスパラガスの花束」ですかね。

 

彼女は人とかかわるのが好きではなく

1人でいるのを好む人間。

 

まじめに勉強しているので

どうしてもほかの女子のクラスメイトに

頼られがち。

 

でもそれがすごく余計なお世話だなと

感じる今日この頃。

 

そんな彼女が楽しみにしていたのは

誰もいないところで行う野菜のスケッチでした。

 

だけれどもそれは秘かにやっていたので

ちょっとしたミスでルームメイトにバレちゃうことに。

 

でもその事件がきっかけで

決して彼女は悪いようには思われておらず

むしろ憧れの視点で見られていたという

事実が出てくるのよね。

 

同じようなテイストの作品だと

唯一畜産を扱っている

「月夜のチーズ」ね。

 

彼女は訳あって出戻ってしまうのだけれども

なかなか切れない離婚した夫側の家族に

悩みを抱えていたみたいで。

 

だけれどもそれを変えてくれたのは…

 

ちなみにこの作品にはもう一つのお話もあります。

この家は本来は長男である人が継ぐ予定でしたが

どうも彼には生命を出荷するという行為がいたたまれなかったようで

家出をしてしまうのです。

 

彼がどうなったかって?

それはこの作品のラストの展開ともつながるお話。

ぜひ読んでみてほしいな。

 

ここでは一番大好きな作品は終わりの部分で

少しだけ紹介にとどめておきます。

あれはあまり話しすぎちゃだめだ。

 

おわりに

お勧めなのはすべてがつながる最後の作品と

その前にあるとてつもなく切ない恋のお話が出てくる

「オリーブの木の下で」です。

 

これはね、話の詳細を知った時点で

とてつもなく胸がキューっとなると思うの。

そうせざるを得なかったいきさつを考えると

いろいろ思いが巡ってくるのよね…

 

こういう作品弱いから勘弁してよ…

でもいい作品だったよ!!

 

またこの作家さんの本、読めるといいな!!

 

 

おしまい