超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【あまりにも悲しい事実】ジョーン・G・ロビンソン『思い出のマーニー 下』

 

今日で有酸素の日々いったんおしまい。

せめて夕方から雨ならばなんとか

あさって有酸素いけるんだけどな…

 

 

 

 

ジョーン・G・ロビンソン『思い出のマーニー 下』

思い出のマーニー 下
ジョーン・G・ロビンソン

岩波書店 2003年07月

by ヨメレバ

 

 

 

 

別れの時が…

楽しい日々もある出来事によって終わりを迎えます。

 

ある日、風車小屋にやってきたアンナ。

ふと入っていくと真っ暗で…

 

そんな中入ってきたのはマーニーでした。

一緒にいたと思われたのですが、

次の日には彼女はいなかったのです。

 

感想

なんだろうな…すごく切ないお話だったよ。

背中に槍が刺さるような、とてつもなく痛いお話。

(存在が痛いじゃないぞ、一応言っておくけど)

 

マーニーはまあ読んでいけばわかる通りで

ある種精神的にも不安定なアンナが作った

幻の可能性があるということ。

 

だけれども、その悲しい出来事の後に

あのしめっ地やしきに新たな住人が入るとの

知らせを耳にします。

 

新しく来た子はどうやら一人、彼女を探していたようです。

なぜならば秘密のあるものを持っていたから。

 

そしてその秘密が…日記の存在。

そこにはアンナが体験したことと一致するような

出来事が連なっていたわけで。

 

でも日付は…50年前。

そういうことなんですよ。

だからこそ彼女が見たものは…になるのです。

 

だけれども彼女の当時を知るものの話を聞いても

マーニーは残念ながらあまり幸せとは

言い難い人生を送りました。

 

いわゆる虐待があったんですよね。

確かに彼女は恵まれていました。

だけれども、お手伝いさんにひどい仕打ちを受けていて

それを誰にも言えなかった…

 

つまりそれって愛されていないということなんですよね。

母親は実質育児にかかわっていないので。

どれだけそれが、つらく悲しいことか。

 

そして風車を怖がったのは…ということです。

もうこれ虐待だからね。

描写だけで伝わってくるのに…

 

でも救いといえば、

マーニーを失ってから、

新たに出会った家族は

アンナにとってもよくしてくれたこと。

 

そして真実を知って

ちゃんと人間らしさを取り戻したことかな。

よかったよな。

 

おわりに

実はこの本、深いセリフがあるのよね。

誰のせいでマーニーは不幸な日々を送ったのか?という感じの問い。

 

これ、大人でも答えは出せないやつ。

確かに子供時代のそれは悪影響だったのよね。

でも、その後に関してはいろいろと不可抗力で

誰が悪いとは決して言えないんだ。

 

世の中にはいろんな人がいて

こういうことも~のせいにしたい人は

いくらでもいるよ。

でも、そうやっているうちはきっと何も変わらんだろうね。

 

いい作品だったよ。

 

おしまい