超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【厄介な差別という問題】田中宏『在日外国人 新版』

明日は現状はなしといいたいけれども

残念、ありになる模様です。

これは仕方のないことね。

 

 

 

 

田中宏『在日外国人 新版』

在日外国人
田中宏

岩波書店 1995年01月20日

by ヨメレバ

 

 

 

 

距離を作っているのかもしれない

この本の時代よりも、

今はもっともっと身近に在日外国人の方が

いると感じています。

 

なぜならば私の最寄のコンビニに

夜の時間帯になるとそのような方が

いらっしゃるからです。

 

すごく気の利く人で

慣れない環境の中よく頑張っているなと

こちらも頑張らねばと思う所存です。

 

だけれどもまだまだ、

この国には彼らに対する理不尽な差別は

根強く残っているのですよね…

 

感想

懺悔します、読んでいる版、二版の方です。

(三版まで出ています、なぜこんな選び方したのアンタ…)

 

だけれどもこの版でも感じることは

どうしてここまで日本を選んできてくれた人に

冷酷なことができるのだろう、と感じましたね。

 

それと同時に出てくるのは

とてもとても耳どころか心も痛むであろう

戦争賠償問題なのです。

 

これ、あまり言ってはいけないとは思っていますが

唯一のあれを盾にしている感が

強いのは気のせいではないと思うのです。

 

確かにそれはとてつもない被害をこうむりましたし

間違いのない犠牲の一つです。

 

だけれどもほかの国の人たちを

理不尽に傷つけてしまったのも事実なのです。

一部の人はあるものを…(ごめん察してほしい)のですが

それはあまりにも犠牲になった人たちをえぐる行為だと思うのです。

 

一応この本は良書には入りますが

扱われている外国人に関しては

アジア圏の人(台湾人・韓国人)がメインとなっていることだけは

留意しておいてください。

 

他の在住者のそれはあまり触れられていないので

偏っていることは否めないので。

 

ひどいケースは外国の方の

両親が日本で産んだ子なのに

その子供は突然として国籍を理不尽に

喪失してしまうケース。

 

本当こういうのがあった時代があるのです。

この国を選んだというのに

この人たちはまったく悪いことをしていないのに

どうしてここまで理不尽なことができるのでしょうね。

 

あとは国籍差別による就労拒否。

これはよく名前も出てくる大手がやらかしたことです。

なぜに国籍だけで?

 

受け入れたのはこの国だよね?

なぜに望んできた人たちを差別で失望させるのでしょう。

 

そんな疑問と理不尽と差別の醜さを

存分に感じた本でした。

 

SNSのそういった発言も来るものがありますが

文章で書かれるあまりにも理不尽どころか

日本人以外は人じゃありません的な扱いに

吐き気を催してきましたよ。

 

そんな扱いを受け続ければ

ここに来た人たちもすさむでしょうよ。

何のメリットもないのにね。

 

おわりに

この本に大事なことが書いてあります。

生まれた国関係なしに

『地球規模で共に生きる』ということ。

 

これは日本でなくてどこでもそうだよね。

だって根本は人という一生物に過ぎないの。

そこにはそれ以上はない。

 

でも幻のそれ以上に覆われて

人は醜さを身に着けていくんだろうね。

死ぬときはその鎧も無様にはがれるのにね。