超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【魔力のある奇書】藤原恵洋『上海』

明日はおそらく街場行きとなります。

ある人の記事が出てきたらその人の

コラボTシャツが届きました。

どうか、もうそういうニュースで出てきちゃだめよ。

もともと才能のある人だからね。

 

 

 

 

藤原恵洋『上海』

上海
藤原恵洋

講談社 1988年01月01日

by ヨメレバ

 

 

 

 

諸外国に翻弄された都市

中国と言ったら

植民地化されていた時代が

存在します。

 

イギリスだけでなく、様々な国が

この魔都を通り過ぎていきました。

 

そしてここには租界という

外国人たちが固まって住む

いわゆる反乱因子からのシェルターとも

呼べる地域がありました。

 

その地域がやがて解放され、

時代の波は戦争へと変わっていき…

その歴史を見てゆく本です。

 

感想

かつてないほどに新書で手こずらされた本。

下手すると哲学ジャンルの親書以上かも。

 

なぜならばたどった歴史がまあまあ複雑だということと

中国なはずなのに、この都市、中国がないの。

 

そりゃあ租界がそういうのを排斥した期間が

長いのも大きいけれども

それが撤廃された後でもやはり外国人優位だったのね。

 

その排斥された中ではその枠の中で

数多くの建築物ができていくのです。

まるで夢物語のようにね…

 

そしてその狭い租界の中でも

ピカイチの財を成したものもいるのです。

それが不動産関係で成功したサスーン家(本文中はサッスーン)

 

その栄華の象徴である建物が

サッスーン・ハウスです。

なんか情報ないから今はないのかも…

ただし2017年までならばちゃんと情報はあるのよね…

 

内部の写真が出ているのですが

1920年代にこれほどの建築物が

出てくるのがまずすごすぎなんだよね。

ちなみにサッスーン家はユダヤ系イギリス人ですね。

バグダッドにルーツがあります。

 

ちなみにここも一応あの唾棄すべき物に関わっていますが

途中から不動産にシフトしているのです。

まあもう一つ出てくる不動産系の大手も

やはり唾棄すべきアイツに関わっているんですよね。

 

なお、初期のそういうのはこれに関わっていますが

後半に中国に来た外国の企業は

どちらかというと海運業のほうがメインになっています。

すべてがすべてあの負の歴史には関わっていないということ。

 

そしてそんな束の間の栄華を誇っていた

外国人たちですが、戦争の波が襲いかかるとともに

必然的に中国人を受け入れなければならなくなりました。

 

最初の内はその特権もまだ使えていましたが

やがてそれも使いなくなっていくようになったのです。

そしてそれとともに、サスーン家も上海を

去っていくことになります。

 

でも悲しきかな、財を得たサスーン家ですら

上海は持っていけないのよね。

 

これは後半に出てくる蒋介石も同じでした。

だけどこっちは人民のお金を持ち逃げするという

おいコラふざけんななおまけまでついています。

ふてぶてしいやつだ。

 

私は中国史を紹介する高度なスキルは

持ち合わせておりませんのでそういうのは

エキスパートの方々にお任せしましょう。

 

基本的にこの本はもう知ったらいろいろなことが

いっぱい出てくる上海の魔を味わう本ですので。

 

おわりに

手こずったけどいやな気持にはさせられませんでしたね。

歯ごたえありすぎてわーすげーと思いましたもん。

 

こういうすごい文章をかける人間に

私もなりたいものです。

(推しのところのコメントに小学生の文しか書けないお前が何言う

本当推し様申し訳ない…ネット上でも緊張するの!!)

 

こういうのがつらい人は終盤の本来の中国にある

上海の生活を知ることのできる部分をどうぞ。

意外にセキュリティ当時としてはしっかりしてるのよ。

 

 

おしまい