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【とてつもないボリューム】伊集院静『伊集院静 美の旅人』

明日なんか雨のマーク消えているところが…

やめてくれー一番忙しい水曜日免除にしてー…

 

 

 

 

伊集院静『伊集院静 美の旅人』

伊集院静 美の旅人
伊集院静

小学館 2005年04月22日

by ヨメレバ

 

 

 

 

絵を追いかけて旅に出る

メインで取り上げているのは3人。

ほんの少しだけ有名どころ。

 

意外にその人の絵は知っていても、

その人がどういう育ち方をしたか、

どういう風に絵へとかかわったかなどは

あまり知らないものですね。

 

そして絵、に関しても

その背景に何があったかも

知らない場合もありますし…

 

感想

まずもって…

私はあまり美術系には明るくありません。

絵画鑑賞ということ自体

あまり縁のない代物でして…

 

ただし芸術を生業にできる人たちは

いろいろな意味でちょっと違った

完成や生き方をしているな、と感じました。

 

実は最初に出てくる人から

すでにいろいろと振り切っているんですよ…

 

あ、私は芸術は疎いので

多少は触れますが紹介されている人物

中心で感想を書きたいと思います。

 

いや、あまりにも濃い人生を送っていて

もういろいろと驚きでしたので。

 

まずゴヤから…こんな性豪がまず

1700年代にいたことが驚きですからねっ!!

 

だって妻との間に20人もの子供を作り

さらにほかの女性とも子供をこさえるという

もうエネルギー化け物ですかいといいたい人物。

 

もちろん芸術方面でもそのエネルギーは

いかんなく発揮され

黒い絵シリーズのインパクトたるや強烈です。

 

個人的にすごかったのはカニバリズムが出てくる

作品ですね。

 

実に実に、生々しい。

それを評する子細な言葉を私は思いつけません。

その言葉しか。

 

あともう1つすごいのは

アレ中(myself)の作品。

これ本当にそういう作品です。

よく見るとその手がおかしな場所にあるのです。

 

この題材は老人が扱われています。

つまりアレをなさられているのはその老人なのです。

 

性、ある種の至高の行為への執着は

生涯あるのかもしれませんね。

(まあゴヤは限りなくそうだったし)

 

この人もすごいけれども、

私がこの人すごいと思ったのは

ミロですね。

 

芸術家は割と破綻型の人生を

送る人が多いです。

ここでは紹介しないダリもですし

先ほど紹介した人も。

 

決して彼は芸術家としては

なかなか芽が出ませんでした。

苦しい日々のほうが多かったでしょうね。

 

だけれども彼には家族という心のよりどころがありましたし

決して売れなくても彼を支えてくれる人がいました。

 

彼の絵は独特の絵で

元も子もない言い方をすると子供の絵、

と最悪言われてしまいかねないものです。

 

だけれどもその絵を描き上げるには

何度も何度も試行錯誤をしている裏側もあるのです。

 

何せ彼は冷静に物事を見据えており

変化と破壊を繰り返していった人です。

ただなんとなくは彼にはないだろうなと

彼の生涯を見ていて思いましたね。

 

絵画のほかにも壁画まで作っており

壁画に関しては触れるものという

貴重な作品だと思います。

 

私もこの人のような

追い求めることをあきらめない人に

なりたいものです。

 

おわりに

美術方面には疎いので

こういう書き方をさせていただきました。

美術面で感想ほしい人はごめんね。

中の人は残念ながら縁がないのですぞ…

 

濃い読書でしたね。

写真豊富な本なので

絵画が好きな人はぜひ。