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【余計なことはおやめください】芳野昌之『マルコ・ポーロ殿の探偵』

明日からある活動、再びです。

ある人を応援するものとして

恥ずかしくない振る舞いをいたします。

 

 

 

 

芳野昌之『マルコ・ポーロ殿の探偵』

マルコ・ポーロ殿の探偵
芳野昌之

出版芸術社 1995年11月25日

by ヨメレバ

 

 

 

 

主人公の友はなぜに…

ジューリオの友であるコルノは一流の彫金職人でした。

しかしながらある日、何者かによって左目を貫かれ

無残に殺されてしまったのです。

 

しかもその凶器は彼の愛用のノミだったのです。

どうやら彼の工房からは4本のノミが

紛失してしまっていて…

 

そんな中一隻の船が捕らえられます。

そこに乗っていた人は

有名人、マルコ・ポーロだったのです。

 

感想

設定が大きなものだけに

内容は残念だったかも。

まあこの本は昔の本だから仕方ないね。

 

ちなみにこの翻訳書はいわくありげなもので

これを翻訳した女性の助手は

不幸なことに交通事故に見舞われてしまい

帰らぬ人になってしまったのです。

 

ある種叶わなかった著者の交流と

ほんの少しの片思いもあったのでしょうね。

まあこの作品にも片思いは出てきますが…

 

なぜ残念と評してしまっているかは

理由があります。

 

それは主人公のジューリオ(彼は日系人ね)が

マルコ・ポーロとお近づきになれたのがうれしかったのか

はたまたかつて出会っていた女性にいい顔をしたかったのかは

わかりかねる(両方の気がします)のですが

まあまあ向こう見ずな行動をとり続けるのです。

 

その結果は言わずもがなで、

今回の友人が発端の殺人事件は

連続殺人になってしまうのですが

その事件をつかもうと躍起になりすぎて

ものすごい危険な目に遭ってしまうのです。

 

余計な情報をつかむのにあまりにも

慎重じゃなかったんですよ。

そのためにいい顔を見せられるチャンスを逃した挙句に

信頼も失ってしまうのです。

 

片思いをしていたジゼーラにもだんだんと距離を置かれ

ジューリオと住居を共にしている男のほうへと

恋の対象は移っていくのです。

 

もうなんていう不幸なさまを見せられているんだろうと

思ってしまいましたね。

 

極めつけにはあまりにも犯行のそばにいすぎたために

ジューリオ犯人説までもが浮上してしまうのです。

最強なことに男色の疑いつきで。

(まあ読めばわかりますが彼にそんな度胸はありません)

 

幸いにも我らが名探偵、マルコ殿がいたおかげで

事件は解決をみますけれども、その事実も

あまりにも悲惨というしかありませんね。

 

まあある人間に血も涙もなかったのが

そもそもの原因でしょうがね。

だけれどもその先に関しては

火遊びの末路でしょう。

 

結局事実が終わっても

爽快感はなく、何読まされてるんだろ?

と頭を抱えてしまいましたね。

 

おわりに

何の悪夢を私は見ていたのでしょうね。

主人公がひどい目に遭う様だけを

ずっと見守っていただけという…

 

ちょっとあらあらまあまあとなってしまいました。

訳書だから文句も言えないですし…

しかも昔の本だから…

 

 

おわり