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【バンパイアとして生きるということ】ダレン・シャン『クレプスリー伝説3』

明日は一番忙しい水曜日が確定しております。

いつも通りの私ってことよ。

(祝2週連続…☠)

 

 

 

 

ダレン・シャン『クレプスリー伝説3』

クレプスリー伝説3
ダレン・シャン

小学館 2011年12月

by ヨメレバ

 

 

 

 

逃れられない宿命

一旦その体にバンパイアの血を宿してしまえば

絶対に逃れられない運命があります。

 

そう、人間との恋はできなくなるということです。

なぜならばバンパイアに生殖能力はないからです。

 

だけれどもラーテンはまた恋をしたのです。

しかしながら、それは壊れてしまう

悲しい運命が定められていました。

 

感想

もうすでにラーテンがある大罪(大量殺戮)へと

走った時点でたどる運命は

決まっていたのかもしれませんね。

 

そう思うとなんか感慨深いものがあります。

決して彼はその負ってしまった大罪を

忘れることはありませんでしたので。

 

だからこそ本編の彼にしっかりと

つながっていたのだと思います。

 

そんな彼は愛したものの愛を

失った悲しみを忘れるかの如く

今までの怠惰な生活を一変させ

あの忌々しき(?)バンパイアマウンテンへと

戻っていくのです。

 

ちなみにそこでは

もう一人の出会いもするんですよね。

たった一人の存在であった女性バンパイアの

エラがここで登場するのです。

 

ここにちょっぴりラーテンの悲しみの

描写があるんですよね。

 

本当は彼とエラはガチンコの勝負を

するはずだったのです。

だけれども思わぬ形で横やりが入ってしまったので

その願いは生涯叶わぬままとなってしまいます。

 

わかりますよね。

彼女はね…うん。

今思い出してもこの悲しみの場面は

つらいものがあるのよねぇ…

 

彼女は強い女性の象徴だっただけに

あの悲劇はとてもショックを受けましたとも。

 

そして別件でバンパニーズとの戦いに狂ってしまった

あるバンパイアを追う任務へと赴くことになったラーテン。

そこにはかつて訪ねていったバンパイアの慣れの果ての

姿があったんですよね。

 

それはもしかしたらなってしまったかもしれない

ラーテンのその先の姿だったかも。

そして、前々から危険要素のあった

ウェスターがだんだんとおかしくなっていきます。

 

彼はもともと身内をバンパニーズに殺されているので

憎しみはなお一層高いのです。

そして今回その鬼になったアローに出会っているので

恐らくですが…最終巻でいやな予感がしてくるのです。

 

こういうのって当たってほしくないものです。

でも展開的にそれが見えてくるんですよね。

いやだいやだ…

 

ちなみにですが、この作品の意味ありげなラストは

どこか本編終盤のある印象的な場面に

そっくりなのは気のせいでしょうかね?

 

これは歴史は繰り返すということなの…?

 

おわりに

ちなみに前作で助けて赤ん坊がいましたよね?

実は中盤あたりで名前が出てきますが

なかなか印象的なあるやつだったりします。

うん、いびきのうるさい人ね。

 

それと本編で衝撃的な展開を演出した

あるバンパイアの若かりし頃も出てきます。

彼のバンパニーズのかかわり方は憎しの連中とは

また違ったものでしたね。

 

憎しみはさらに憎しみを生み

時にそのものを鬼と化してしまいます。

本当はそんな大元なんてなければいいのですが

相手の気持ちなんて一から十まで分かりっこないので

必ず争いは生れてしまうのですよ…

 

でもラーテンは、その罪を自覚し

その体験があるからこそ人を助けることになるのです。

そう、あの時のダレンの時のように。

 

 

おしまい