ありゃ、明日予定みっちーりだわ。
こんなことあるんだね。
一つ一つ着実にこなします。
(帰りのルート変更案件あり)
クレプスリー伝説2 小学館 2011年06月
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まだ定まらない、その立ち位置
若者というものはえてしてその立ち位置というのが
不安定なものだったりします。
それはもはや人間ではない、
まだまだバンパイアとしては若手のクレプスリーとて
同じでした。
アウトローの仲間に入って
当てもない日々を過ごす日々。
しかしながらなぜか彼はある不思議な存在のもとへと
導かれていくのでした。
感想
この作品、かなり暗い作品なんですよね。
終盤がその最たるものですってばよ。
なので、残酷な描写が苦手な人は
読む際に少しばかり、いやかなり注意してください。
様々な関係性や感情の描写…
この本は優れている点は多いんだけれども
児童書の範疇としてはかなりハードな作品で
この本も例に漏れないんだ…
だけれどもその事実を知って、
なぜダレンに厳しくしたのかはわかる気はするんだ。
あんな出来事が起きてしまえば
気を付けなければあの「事態」を招いてしまうことになり
結果的には最悪の結果になってしまうから。
本編のダレンもそれをしでかしそうになってるんだ
だけれども、何とか思いとどまったのよ。
ある事実を知ってだけどね…
ただし、その度合いはダレンのそれとは
比較にならないんだ…
さて、この事実じゃないところも触れましょう。
くらーい展開をたどることになりますが
本編で出てきたクレプスリーの黒歴史が
どうして出てきたかが判明します。
あのクレプスリーの毛抜き事件ですよ(笑)
そりゃあお口のしつけがなっていなければ
そういう目に遭うよな、と思いました。
と、思うと本当まだダレンは温情があったんだねぇ。
本当クレプスリーとウェスタ―は
厳しい訓練を受けていたわけだ…
クレプスリーとウェスターは放浪ののち
バンパイア・マウンテンに帰ってはきます。
前の巻の通りでやっぱり器量がいいのは
ウェスタ―の方ですが、リーダーとしての適性は
クレプスリーのほうが上なんですよね。
だからこそシーバーは彼の力を引き出そうとするのですが…
彼そのものにその気はないんですよね。
その地位を手に入れる場所に近づけば近づくほど
クレプスリーの気持ちは離れていき、
気分までも下がっていき…
そう、適性があっても気持ちがない場合は
苦しむだけなんですよ。
その結果が何もかもを棄ててまで再び
外の世界へと行く選択肢を取ったわけで。
うん、それでもクレプスリーにはほんの少しだけだけどね
幸せな時は訪れていたの。
それが初めての「恋であり愛」だったんだけどねぇ…
おわりに
この悲劇とその後に起きる残酷なまでの結果は
目を覆いたくなることでしょう。
気持ちは理解しちゃいけないですがやるせない思いはわかるのです。
だけれどもその瞬間にクレプスリーはある種の「一線」を
超えてしまっているんですよね。
もうまっとうな道へはたどれない運命へと
すでに抱え込まれてしまっていて…
エバンナが遠回しに伝えた事実と
なぜある場面で拒絶したかがわかる気がするのです。
それを拒絶しなかった場合は…また違ったのでしょうけど。
(ちなみに拒絶の描写のラストにアイツがいます)
本編よりもこの作品は重いよ。
ちょっと読書の際は気を付けてね。
耐性がない場合は気分が悪くなると思います。
終盤以外でも。