超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【なにも、はじまらない】松井雪子『日曜農園』

今日もきちんと行ってまいりますぜ。

昨日の時点で水曜日まで埋まるのが確定しました。

うれしいが残酷だぜ!!

 

 

 

 

日曜農園
松井雪子

講談社 2007年09月

by ヨメレバ

 

 

 

 

半年放置された農園

いなくなった、父、隆は共同の農園を借りていました。

あまりに放置していたのでお知らせが家に届いていたのです。

 

家族の知らなかった姿を見てみるのと

仕方なく農園を見るため、

萌はその農園と足を向けることになります。

 

彼女は知っていたのです。

知らない別の顔を父は持っていたことに…

 

感想

この作品はある種の賞にも

ノミネートされていたみたいです。

何回かノミネートされていたようですよ?

 

まあこういう目の付け所がシャ…じゃなかった

ちょっと特殊な作品って目に留まりやすくも

ありますからね。

選ばれるのもわかる気はします。

 

ですが中身は問題作でしょうね。

タイトルに着けた通りで「なにもはじまり」ません。

父親の行方がつかめたとか

何か希望が持てる展開ははっきり言ってしまいましょう

ねぇんですよ!!

(大切なことなので巨大文字にさせていただきました)

 

だけれども萌は関係者には伝えていませんでしたが

隆の足取り、実はつかんでしまっているのです。

それは彼と同じ農園仲間の人の

ある会話内容からつかんでいたのです。

 

現実にそこを検索すると…

いたわけなんですよね。

 

その他にも彼が言っていたであろう場所の

痕跡が彼の忘れ物で判明したり…

あるがままの姿に彼は救いを感じていたのでしょうね。

 

そして彼女はいつの日か

帰らない父の代わりにみみずやちょろのすけを

演ずるようになります。

 

決して隆は娘の萌を愛さなかったわけでは

ないはずなのですよね。

だけれどもね、問題なのがいまして

結局それに板挟みになったのでは?と推測します。

 

まああのク…おっと失礼な存在は

「ムスコチャンのすべては分かっているのよ」という

何様な存在でしたからね。

息苦しく感じていたのでしょう。

 

結局このク…(もうやめろ)の言った先は

なにも手掛かりはなかったのですから。

つまり何もわかっちゃあいなかったわけ。

 

なんか切ないお話よな。

隆が何か行動できていれば

ここまでは追い詰められなかったとは思うね。

 

多分彼はそのまま

日本では「死」を迎えると思います。

(失踪から7年でそれ出来るしね)

 

それと農園での出来事で

ある萌しか見ていない事件が起きます。

その被害者は彼女にアドバイスもくれた人、

 

だけれどもその人はある不正をしていたんですよね。

抽選制のこの農園でいわゆるコネで

居座り続けたのですから。

 

何が起きたかはわかると思います。

彼女はそれを誰にも告げませんでした。

そりゃあそうですよね、その名誉は不正の上にあるんだから。

 

最後農園は…です。

つまり農薬を使ってもなにしても

そいつにはかなわなかったのよ。

 

多分自称「事情の分かる」男には

いい薬になったんじゃないかねぇ。

 

おわりに

穿った見方をすれば「それなりに」

楽しめる本だとは思います。

でも読書ってそういうものじゃないんだわ。

 

一部の学術書とかとは違うからね。

あれは場合によってすごく神経使うから…

 

受賞作品だから…というのがあてにならないやつね。

それだけで私はまあ選ばないから

それは理解できないんだけどね。