超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【一つ目の鬼は…】高田崇史「毒草師」

比較的今日は涼しかったのね。

普通にバリバリ夏仕様で行ってしまったぜイエーイ。

 

 

 

 

高田崇史「毒草師」

毒草師
高田崇史

講談社 2008年04月

by ヨメレバ

 

 

 

 

名家にあった「忌々しい過去」

名家というとこういうお話はいくらでもありそうな気がするのは

気のせいでしょうか…(まあこの本ほどではないでしょうが)

 

今回取り上げられるのは鬼田山家。

密室状況下で失踪が相次ぎ

そしてしまいに荷はその家の長男までもが殺害されます。

 

実はこの家、

ある忌々しい過去を持っていたのです。

そしてそこにはある奇形が関わっていました。

 

感想

この作品はQEDのサブシリーズ扱いとなります。

なぜならば御名形史紋がメインの作品ですので。

だけれども彼はあくまでもいつも出る存在ではなくて

別の人間が物語を紡ぐ感じですね。

 

この作品にずっとかかわってくるのは「一つ目」

これ、実は幻でもなんでもなくて

現実にあるものだったようですよ。

 

それがどういうものかはこの作品らしく

「毒」絡みとなっています。

そしてそこから、この名家鬼田山家に関する

まあまあおどろおどろしいというかネチネチグッチャグッチャな

忌々しい歴史が明らかになっていくのです。

 

これはね…本当に救いようがないです。

不可抗力といえば不可抗力だけれども

それはなぁ…

 

そしてその結果は最悪な結末をもたらします。

つまり、その不可抗力(?)は過ちだったわけですが

過ちの結果は連鎖されたわけですよ。

 

その結果「まがまがしいほどの恨み」が

生まれてきており今回の事件へと至っています。

その恐ろしいまでの犯行の一部始終に関しては

各自、目を通していただければと思います。

 

あまりね、ここでつまびらかにしてしまうと

あのイヤーな読後感がスポイルされてしまうんですよね。

とにかくすべてにおいて、不快、ウヘァ…となるような

感覚を覚えましたので。

 

あ、本編ほどではないけれども

少しだけ歴史のうんちくはありますよ。

「詠み人知らず」に関しての部分。

 

まあこの真相を見ると「人の傲慢さ」というのが

いやというほど感じますよね。

で、2022年現在もこの傲慢さがたたって

最悪の結果をもたらしちゃう。

ほらほら、あの事故、あったでしょ?

そういうことよ。

 

おわりに

スピンオフ作品、悪くなかったです。

実はこの作品、ある人だけが妙に浮いていて違和感を覚えるはずです。

その感覚は大事にしておいてくださいね。

多分違和感がすごくしっくりくる結果となるので。

(実はこの人間はもしかして…と距離感の時点で感じていました)

 

この作品もシリーズもう少し出ているので

随時追いかけますよ。

(実はもう一つスピンオフあるのよ?あの忍…ゲフンゲフン)