超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【人間関係系も追加】中尾政之『続 失敗百選』

 

あるものとともに、今日で当分おしまい。

次の機会をいつものルーティーンをこなし

しっかりと待ちます。

 

 

 

 

中尾政之『続 失敗百選』

続 失敗百選
中尾政之

森北出版 2010年12月

by ヨメレバ

 

 

 

 

事故はないほうがいい

これは命題だと思いますね。

だけれども、人が作るものゆえに

事故は起きてしまうものなんですよね。

残念ながら。

 

ただし、それを減らすことは可能なのです。

しかもでっかいものが来るレベルをね。

それだけでも効果は大きいものだと思えません?

 

防げない、でも減らせる…

 

感想

この本、一応専門的な用語が出てくるので

そういう業界の人向けではあるものの、

解説が意外に面白いんですよ。

 

中の人の小話が時折出てくるのですが

なかなかいい味を出しているんですわ。

 

意外にも東大といえどもなかなかやらかす人はいるようで

中には盛大に大ポカをやらかして身体に影響まで出たものの

そこで腐らずに自分の現状を生かした業界に進んだ人もいます。

 

その人の失敗例は温泉で飛び込みをして打ちどころが悪く

下半身不随になってしまったという…ヘヴィすぎる…

 

あと著者の体験した失敗例も結構あります。

学科外での事故とかね。

まさか起こるとは思わなかったと本人も言っています。

何をするのかがわからないのが人間ですので

ありとあらゆる備えは大事なんですよね。

 

メインはやはりヒューマンエラーに関する失敗学ですね。

中には関係性がよければ防げる時代もありました。

 

これに関しては医療過誤なのですが

手術をする人は血液型が一番少ないAB型だったのです(!!)

だけれどもこの病院はその時に輸血のストックがなかった(!!!)

 

これ実例に本当に出てきています。

一応緊急の対策法もあるのですが

どうやらこの当時は取られなかったようです。

関係性というのがよろしくなかったのかな…

 

まあまずストックないのが論外なんだよね!!

事前にいくらでも対策はできたはず。

これを外部の人間が見て思うのだから内部はお察し…

 

あとシステム系の失敗例もあるのだけれども

こういうかなめのそれに関しては

二重どころか三重の対策を持って挑まないと

足元をすくわれるんだなぁと思いました。

 

データの名前失念とかいう重要物扱っているのに

何やっているんだな失敗例もありますからね。

もうこの時点でやらかすしか出てこないという…

 

エンジニア向けの部分も多いですが

後半の重大事件も絡めた失敗例は

いかに人の関係性が重要かを

物語る結果でしょう。

 

でも悲しいかな、このご時世もあり

もっともっと関係は劣悪になっているのです。

これではすべてにおいて期待はできないでしょうな。

 

おわりに

失敗学の真面目な本なのに関わらず、

著者の研究関係の失敗例や裏話が

本当に面白いんだから恐ろしい本!!

 

この系統に関係なくてもお高いですが

このシリーズ、手元に置いていて損はないですぞ。

危うく教授職クビの危機のお話もあるので(!!!)

(ある危険物の仕業)

 

 

おしまい