超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【獣人たちの住まう世界】川又千秋『惑星オネイロスの伝説』

 

やっぱり連日有酸素日和です。

今日も明日もだったよ。

 

 

 

 

惑星オネイロスの伝説
川又千秋 新潮社 1987年05月
売り上げランキング :
by ヨメレバ

 

 

もう一つの∞号の冒険

おそらく時系列としては終わりゆくあの旅の前の

お話でしょう。

 

ちゃんと前作を読んでいると

冒頭部分が???になるはずです。

私もあれ?と感じてしまいました。

それってつまりだよな…

 

この作品も不思議な作品ですよ。

 

感想

摩耗しきった脳みその再生にはこういう作品は

非常に良いな、と思ってしまいました。

(まああの作品はあまり読んではいけないものよ、

脳みそショートするし)

 

文章が神秘的なんですよね。

決して1ページ当たりの文章は多くないのです。

だけれども、紙面の使い方でしょうか?

それが実に巧みなんですよね。

 

この物語の始まりは

ある特殊な生活様式を持った惑星オネイロスの王

シャガーン4世の眠りの描写からはじまります。

 

 

冒頭のこの言葉、実は深い意味があるのです。

この惑星の者たちにとっては。

 

それゆえに取ってつけた知識でみだりに

この言葉を濫用した∞号のメンツには

それをたしなめています。

 

なぜならばその言葉は夢の世界への

深い深いところまで行く言葉でもあるから。

 

ですが、これをやすやすと突破したのが

この惑星の潜入メンバーとなった

惑星の命名主のスーザンでした。

 

ただし、オネイロスの住人でなく

勝手も知らないために

一度この夢の領域で消滅という名の

「死」を迎えてしまうのですよね。

 

だけれども∞号の技術には

あるものがあるわけで

夢の世界を渡り歩くものは

ある手段を使ってこのスーザンの夢の世界へと

潜入するのです。

 

まあどういう展開を迎えたかは

予想がつくと思います。

何度も死を迎えているわけですし

そもそも生身の人間ではありません。

 

つまりオネイロスの上位の者達でも

これは未知との遭遇だったわけです。

危うくこの夢の世界から

戻ることの出ない事態にまで陥ったんですから。

 

ちなみにこのオネイロスの王は

世代が変わるごとに~世のカウントが減っていきます。

それがどういうことか…

 

その意味を見出した時、なぜ夢の世界へと

沈んでいくかが理解できると思います。

 

おわりに

今回はしっかりと冒頭部分に触れておきましょう。

実はある数値が前作と一致しないのです。

ざらっと読んでも気が付くクラスなので

どういうことかは察することが可能でしょう。

 

つまり…というわけです。

あれだけいろいろと言っていてもというわけです。

理性がある人物と言えども

それはいかにも魅力的だったわけですね。

 

それを堕落ととるか、進化ととるかは

私たち読者次第ですね。

私は両面性があると捉えます。

 

おわり