超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【黒いものが流れていく】桜木紫乃『風葬』

 

限界までやり切った。

久しぶりにやり切った感が強いね。

だが週末までお前に休みはないぞ。

 

 

 

 

桜木紫乃『風葬』

風葬
桜木紫乃

文藝春秋 2008年10月09日

by ヨメレバ

 

 

 

 

母は婚姻していなかった…

ついうっかり戸籍を調べてしまったことが運の尽き…

娘である篠塚夏紀はその事実を知りませんでした。

 

どうして戸籍がそうなっているのか…

そして母はだんだんと認知症が進み

夜に不思議な言葉をつぶやいていたのです。

 

実はその言葉には覚えがありました。

根室のある地名だということに。

 

感想

重たい作品だったな…

あまりページ数は多くはないもののズシんってくる作品。

扱われている事柄がヘヴィーなのもあるからだろうね。

 

過去のヘヴィーなネタと、

現在時系列で起きているヘヴィーなネタ。

 

特に後半のはかなり複雑ね。

確かに担任教師であった男(過去のネタの関係者の息子)は

そのいじめられて自殺した子にはあまり関わり合いは

持ちたくはありませんでした。

 

だけれども、この自殺したこの家には問題がありました。

いわゆるモンペだったんですよね。

義務を果たさずに権利ばかり主張するあれなやつ。

 

たちが悪いのはこの父親で

脅迫まがいのことまでするんですよね。

 

死んでからそう思うんだったら

初めから子供にとってまともな生活送らせてあげてよ。

こういうのをみるとうちの家もそうだったし

うちの悪友の家もまさにこれだったから

本当に胸が痛むんだよな…

 

そして過去のほうはというと…

これね、実は触れてはいけない代物だったの。

その地域では「ある家」に触れてしまうと災難が起きるって

言われていたのですよ。

 

だけれども今回、篠塚夏紀の探し物に協力した

沢井徳一・優作親子は必然的にこの触れてはいけない家に

関わってしまうことになるのです。

 

そもそもこの家をよく知る人間に関わった時点で

もはや不可避ではありましたが。

 

ちなみにこの親子の息子のほうがいわゆる

いじめ裁判の巻き添えを食った人です。

この親どもに関しては一切わかりたくない。

 

この悪魔の一族との対峙で

篠塚夏紀の母親の思わぬ事実が

出てくることになるわけです…

 

それが戸籍の秘密となるわけで。

本当さ、愚かな行為をしなければ

こんなにひどい事情にはならなかったのにな。

 

おわりに

ちなみにこの物語の最後には

意味深な場面が含まれます。

多分その通りの解釈で相違はないと思うな…

 

世の中には知らないほうがいい事実もあります。

これなんかそうよ。

本当に胸糞でしかないもん。