超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【小粒でも濃ゆいぞ】二階堂黎人『ユリ迷宮』

 

お願い、明後日以降どこかでいいから…

夜に雨になってくれやしませんか?

 

 

 

 

二階堂黎人『ユリ迷宮』

ユリ迷宮
二階堂黎人

講談社 1995年04月05日

by ヨメレバ

 

 

 

 

濃い3作品、あります。

もうすごいというしかないんですが(語彙力はるか彼方へ)

どの作品もよい、そして面白い。

やっぱり語彙力吹っ飛んでますわ。

 

これ以上は言いません。

長編が苦手ならまずこっち読んどこう。

ある程度ほかのミステリーで慣れてきたら分厚い凶器読もう。

 

感想

あら、偉大なる先生の本を凶器とは…申し訳ないですね。

(もっとも直近のあの方に関してはスローイングされたという噂が)

 

もうどの作品もよすぎるのです。

しかも最初の作品はドイツのスパイだった老人のお話で

活動を伝えに行った館が消えてしまったというお話。

 

どうやらその館はある王朝の生き残りがいたみたいで(!!)

そのお宝を共にいたものの一人が見つけて

わが手にしようとして凶行に…

 

その老人はその不届きものを追いかけることとなったのです。

ただ傷ついた関係者のいわくありげな人ことが…

「戻ってきてはいけない」

 

その意味は消失という形で現実となります。

何で消えたかはシンプルですよ。

ヒントは館はどうなっていたでしょうか?です。

 

二つ目の作品は盲点を突いた作品ですね。

犯人は関係者だろう、というイメージを植え付けています。

確かに真犯人も関係者です。

間違いなくね。

 

でもその犯行概要は

その人しか出来っこないんです。

なるほどよね。

 

そして、これだけが中編の作品が

最後に出てくる「劇薬」です。

 

冒頭がいわくありげとなっていますが

いわくありげにして間違いはないです。

結末でわかりますので。

 

死んでも喜ばれる男がなくなる事件です。

いわゆる亜ヒ酸(ヒ素)による殺人事件です。

 

これは被害者の盲点を突いた事件となっております。

しきりに事件の被害者の長坂善蔵はあることを自慢していました。

実はその自慢には裏があったわけで…

 

そしてすべての事件の解決後に思わぬ事実が出てきます。

でも、実はある人物も被害者なんだよね。

このクソ男に弱みを握られてそうせざるを得なかったんだもん。

 

全部よかった。よすぎた!!

 

おわりに

今回はあることをお試しに。

なんかより一層楽しくなったわ。

まだ慣れないけど、しっかり慣れておく。