超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【大奥のとある裏側】平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳(一) 』

 

あまりに耳凶器がよろしくないので換装しました。

多分これでもうあんまりトラブルはないはず。

しばらくこのままです。

 

 

 

 

平岩弓枝『はやぶさ新八御用帳(一)』

はやぶさ新八御用帳(一)
平岩弓枝

講談社 2016年10月14日
売り上げランキング :

by ヨメレバ

 

 

 

 

凄腕、襲われる

内与力である隼新八郎は

元女中の家からの帰り道に

人斬りを目撃してしまいます。

 

どうやらその男はたいそう腕の立つ模様で

危うく彼も命を落とすような災難にあります。

 

そして殺された男が持っていた三百両が

忽然と消えたようで…

 

感想

最近著者の訃報を知ったんですよね。

あまりこの報告は聴きたくありませんでした。

 

一応お初ではなかったはずです。

非シリーズもので一度読んでいますので。

 

この作品を通して読んで、感情移入のしやすい

とっても優しい作品だな、と思いました。

 

それは新八郎の性格もですけれども。

ただし、実を言いますとこの女中さんは

新八郎が秘かに思いを寄せており

実のところ実質両思いでした。

 

ですが当時は身分違いの夫婦なんて言うのは

ご法度同然だったわけです。

なのでこの夢はかなわず、新八郎も妻帯者となっております。

 

今回の事件は大奥が絡んでくる事件となります。

第二の事件は大奥の人間が殺されることになるからです。

その際に新八郎の同僚が犠牲になってしまいます。

 

そうなってはこちら側もただ手をこまねいていられないもの

だけれども大奥の壁が厚く立ちはだかるのです。

そこである奇策を使うんですよね。

 

ええ、想い人の女中のお鯉をつかうのです。

そしてだんだんと恐ろしい事実が判明してくるんですよ。

 

どうやら昔にはそういうことはあったわけですが

今回の一連の真相とは全く性質が異なります。

その理由は…

 

これに関してはさすがに私も言えないですね。

ただ、確かに一連の事件は絶対にやってはいけないことです。

 

だけれどもあんまりにもその当時の事情を

反映するものとなっており、完全悪とは言えないんですよ。

 

それにこの作品は最後が本当に見所です。

すべてが解決して新八郎が真の黒幕へと迫る場面。

そこで繰り広げられる光景がね…

 

うん、切ないさ。

 

おわりに

文章に温かさがあるんだよね。

読み終わるまで、ずっと心地よく読めたなぁ。

こんな作品を著者は出していたんだね。

 

人の死は抗いきれない。

だけれども貴重な才能の持ち主を失ったことは

悲しいことだよねぇ…

 

おわり