超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【逃げる者の前には…】桐野夏生『OUT(下)』

 

結構体を燃やしてきたんだな。

うん、ちゃんとやったぜ。

 

 

 

 

桐野夏生『OUT(下)』

OUT 下
桐野夏生

講談社 2002年06月15日

by ヨメレバ

 

 

何とか事実は隠せたものの…

バラバラ殺人の嫌疑は運よく別の者へとそれたものの、

結局事実は変わりはないわけです。

だんだんと周りの人が敵に見えてくる上に

夢に悩まされるものもあらわれます。

 

そしてそんな中、第二の殺人事件が

起きてしまうのでした…

 

感想

※終盤部分読書時要注意

 

一応これは事前に警告しておきますね。

実はすべてが終わる前に主人公の女の前に

ある人間が現れるのです。

 

ここの描写は要注意です。

真面目に。

 

それぞれの破滅が待ち受ける形となります。

バラバラ殺人を完遂し、望む形で

金を受け取った各々。

 

ただしそれが幸せをもたらすことはありませんでした。

そりゃあそうです、悪銭ですからね。

 

まあその原因を作ったのは

やっぱり軽薄な邦子でしたけどね。

結局彼女たちを恨むであろう人間に

痛めつけられた挙句に殺されてしまうのです。

 

皮肉かな、それを行った人物は

嫌疑を真っ先にかけられたあの男だったわけです。

心にとてつもない闇…(異常なアレ癖)を持つ男。

 

復讐のために狙ったのは主人公だったわけです。

どうやらかつて殺した人物に通じる何かを

主人公は持っていたわけで…

 

最後にあえて主人公はこのやばすぎる男のもとへと

向かうわけなのです。

その先よ、大問題なのが…

 

私はあるトラウマ上、いくら雑食とは言えども

「それ系」をテーマとする作品はあえては読みません。

まあ今回のは展開上入っていたのですが

 

今までのそういう作品はうわ…で終わっていました。

ところがです、この作品はそうはなりませんでした。

その部分が強烈にぐわんっとなり目が見開く感じを覚えましたからね。

 

それぐらいに描写が生々しかったのです。

 

ただしこの鬼畜ですら、そのさらに上を行く

主人公のすべてを征服することはかなわなかったのです。

むしろ敗北した、といっても差し支えないでしょう。

 

まあどういうことかをここで説明しちゃうと

ブログぜってぇに削除されるから言えないのが悔しいんだけどね!!

つまり主人公はそれ以上の何かを持っていたわけですよ。

鬼をも上回る「何か」をね。

 

おわりに

今まで小説読んだ中で、この感覚を覚えた人は

初めてだな、と思います。

ただし真面目に泣いた本はありますよ。

古典と呼ばれる名作ですね。

(言っておくがアニメは1年コースの小説は薄いアイツじゃないぞ)

 

結構ショック大きい奴だわ、すごすぎる。

 

おしまい