超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【登場人物、救いようがねぇ】土屋隆夫『妻に捧げる犯罪』

いったん明日で最終日。

さて、1週間以内に某食品店に行ける日は来るかなぁ?

(ちょうど減ってきたので試しに買ってみたい)

 

 

 

 

妻に捧げる犯罪
土屋隆夫

光文社

by ヨメレバ

 

 

 

 

その男は、壊れていた

かなり重たいどころか、キッツい描写の続く作品です。

そりゃあそうです、主人公である男は

不倫された挙句に、その妻を妻が不倫中に亡くしたのですから。

 

そしてすべてに失望した彼は、

あるよろしくない趣味を持つのです…

 

感想

なんというかね…出てくる人がみんなひでぇ、ひでぇんだよ。

この男(日野)はひょんなことにより、した側の妻と関係性を

もつわけなのだけれどもこの妻もとことん食えねぇ人間なんだわ。

これじゃあされても文句は言えないんじゃね?と思うぐらいにね。

 

このように感想文を書く文までも荒んじゃうぐらいに

とにかくいろいろとひどいのです。

 

主人公の男は世の中に失望し、

ある種の悪趣味に快感を覚えます。

それは「いたずら電話」

しかもたちの悪いことに既婚の

家庭を壊すようなデマを流すのです。

終わってるよコイツ…

 

で、そんないたずら電話をしたら思わぬ計画(犯行計画)を

聞いてしまったこの男、

何としてもこの人物を特定しようと躍起になるんです。

 

だけれどもそんなさなか、またしつけぇ女(した側の関未亡人)が

この日野の周りをうろうろしてくるわけです。

しかも途中でコイツ、特大の爆弾を落としていきますからね。

 

実は日野にはある体に地雷を抱えており

それゆえにサレ側になってしまったいきさつがあります。

なので本来は可能性は少ないわけです。

しかもこのしつけぇ女、いわゆるBのつく人っぽい…

なので日野もとんでもない女につかまりましたね。

 

そんな鬱屈と、いまだに知られていない犯罪…

それがやがて彼の脳裏で1つにつながったとき、

「犯罪」という一線を越えてしまうわけなのです…

 

多分私が読んできた著者の作品では一番読みづらい作品でしたね。

基本彼の作品は色物が絡むので

読みづらいきらいはあったのですが

今回は登場人物もクズ

(しかも計画破綻のきっかけを作った人物もクズ)ぞろいなので

まあまあ心がおられましたね…

 

おわりに

結構犯罪は巧妙になっているけど

人がクズ過ぎてまあそれらがかすむかすむ。

悪い作品じゃないのよ。

 

でも、人が救えねぇ!!