BCAA水飲み切ってボトル洗わんとな。
明日確実に使う。
OUT(上) 講談社 2002年06月15日
|
事件が歯車を狂わせる
事件の背景には様々な問題が隠されています。
その憤りが最大になってしまったときに
事件は起きてしまいます。
本当ならば不可抗力もあるので
自首さえすれば、傷は浅かったでしょう。
だけれども、そうはしませんでした。
こともあろうか事件を隠避したのです。
感想
この方の作品は濃くて刺さるんですよね。
そして登場人物も一筋縄ではいかない人たちばかり。
ちなみに殺してしまった人は、当人に問題があったわけでなく
その旦那が最低すぎるほどにクズな男でした。
ギャンブルに身を落とし、飲食店の女性に貢ぎまくったのです。
しかも深夜勤務をして必死に稼いでる妻をよそに。
そして歯車は狂ってしまうんですよね。
彼女はかっとなった勢いで旦那の首を絞めてしまいます。
それが運の尽きになってしまいました。
こともあろうか、彼女は殺して自首をしなかったんですよ。
そしてまるで当然の行為のごとく、同僚の女性に
遺体の処分をお願いするのです。
そこにさらに女性(こいつは本物のゲス)が
遺体解体中にやってきたものだから大変です。
このゲス女はとにかくいろいろとだらしのない女で
こいつがバカな場所にバラバラの遺体を置くというへまをやらかしたので
事件の発覚は早めになってしまうのです。
(金銭感覚の狂っているこの作品でも随一のゲス)
その一方でこの殺された男の関係者も出てきています。
この男の関係者である佐竹というやつは
いわゆる黒いビジネスで生計を立てている男。
彼は実はある黒い過去を抱えていました。
いわゆるマニアックな性癖を持っていたがゆえに
それが行き過ぎた末に女性を殺してしまったのです。
それ故に彼は女を抱けない体になりました。
要するに普通のそれではだめというわけです。
それは彼が懇意にする女性でもそうでした。
で、真っ先に疑われたのがマエありで
被害者とも殺害前に関係のあった佐竹です。
むろん彼はやっていませんからね。
捕まってしまったために
彼の人生は台無しになってしまったのです。
懇意にしていた女性からも冷めた目で見られるのですから。
彼が意地でも本当の仕立て人を探そうとするところで
上巻はおしまい。
おわりに
この作品は読むのがつらくなってくるのよね。
それぞれの女性たちに問題があるのよ。
介護の問題、労働問題とかね…
そんな人が一線を越えてしまったらもうね。
破滅しかない。
でもそれを読者は見ることしかできないのよ。
もどかしいねぇ。