超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【何をしても救われない】道尾秀介『骸の爪』

 

何をしても明日は身動きが取れない模様。

そんな日もあるさね。

 

 

 

 

道尾秀介『骸の爪』

骸の爪
道尾秀介

幻冬舎 2006年03月

by ヨメレバ

 

 

道尾氏またしても…

彼にはトラブルが付きまといがちなようです。

結婚式に出る予定で宿泊するはずだったホテルが

手違いで取れなくなったため、別の場所に泊まることに。

 

その場所で彼はまたしても

奇怪な出来事に見舞われるのです。

しかもその出来事を話したら追い出される羽目に…

 

感想

人というのは隠し事をされてしまうと

ついついその隠し事を掘り出したくなりますよね?

私はそんなには掘り出したくないというか、興味がない、はい。

ということでそういうのに使うエネルギーがないです。

 

ですが主人公の道尾のように途中で奇怪な出来事に遭い

かつ理不尽な対応を取られたらちょっと考えもの。

無論彼は真備に協力を依頼するのであります。

ですよねー。

 

ただし、今回この作品は1冊目よりも救いようがない

ということは心して読んでほしいなと思います。

舞台は瑞祥房と呼ばれる仏像を作るところ。

そこでは様々な仏像が作られています。

 

実はここには昔、ある未来を約束された優秀な男がいたのです。

ところが彼は謎の失踪を遂げてしまうのです。

そして、さらなる失踪も。

 

実はね、あまり今回の作品は登場人物を

仔細に書くことは避けたい作品なんだ。

なぜかというと…まあミステリー好きなあなたはピンときたでしょ?

お察しくださいなわけです。

 

このケースのミステリーは結構レアなケースだと思うな。

そして何がこの作品すごいかというと

もう結末なんか完膚なきまで読者を打ちのめすような

救いのない展開を迎えちゃうわけですよ。

 

だけれども、だれずに何段構えの驚きを提供し、

なおかつこちらに驚きを与えつつ

救いのない展開に持ってきちゃうということ。

 

ちなみにその有望だった人の失踪もそうなのですが、

道尾がこの瑞祥房に入ったときに一目見て不思議に思った

人物、松月に関しても驚きの事実が提供されます。

 

ただし、私は真実に関しての事柄は知っています。

ある種の書籍を子どもの時、まるで絵本のように

読んでいたのでもちろんそれに関しては知っていました。

 

これを聞いても切なかったですし、

この事件の発端になる事柄も、切なすぎるんですよ。

そして、そこからつながっての結末もね…

 

おわりに

この作品は読んだほうがいいと思う本なので

本筋にはあまり触れたくありません。

事実が事実のためなお一層。

抽象的すぎる感想をお許しください。

 

私が初めて著者の作品を読んだのは別の作品だけど

この作品もまた、よかったです。

(ちなみに別の作品も超有名作品)