超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【南星屋、ピンチ!!】西條奈加「亥子ころころ」

日曜日はうれしいことがあるようです。

多分別日程は今回1回だけの稼働で終わりでしょう。

そんなものよねー。

 

 

 

 

西條奈加「亥子ころころ」

亥子ころころ
西條奈加

講談社 2019年06月26日

by ヨメレバ

 

 

 

 

絶対的なピンチに救いの手が…

治兵衛の食べ歩いたお菓子がウリなのに関わらず…

なんと、その治兵衛の肝心の腕が

負傷により使えなくなってしまいます。

 

これは南星屋、大ピンチですぜ!!

だけれども本当に思わぬ形で

救いの手が現れるのです。

 

感想

2冊目もやっぱり、よきでしたね。

今回は前の作品のように、嫌な展開は起きず

確かにちょっとした問題はありますが

もやっとはしなかったです。

 

冒頭から不穏な空気が流れてしまいます。

しかも、看板のお菓子を作るまでに

治兵衛の調子が良くなるかも微妙なところだったです。

 

そんな中、南星屋の前で行き倒れが発見されます。

どうやら彼は盗人に全財産を持って行かれ

すってんてんになってしまってついに力尽きてしまったのです。

 

彼の名前は雲平。

どうやら彼は弟分的な存在である亥之吉という男を

探しているようです。

 

彼は何らかの事情により

仕えていたお家から去ってしまったようです。

なぜ、彼が恵まれすぎるほどのお菓子を作る環境を手放してしまったのか。

そこにはその家で起きたある事件が関係しているようで…

 

今回もおいしいお菓子が出てきます。

食べ物ってやっぱり人を喜ばせるものがあるんですよね。

昨今のニュースである種の食べ物がうんたらといっていましたが

その人にとって「おいしい」と感じればいいんじゃないかな。

そうでない人はそういう人もいるっていうことで。

槍玉にあげるのは違うと思うの。

 

その中には今回の尋ね人である亥之吉を思ってのメニューも出てきます。

あえて変わり種にしているところがポイントです。

いわゆる江戸時代的な「映え」なんじゃないかしら。

 

一応今回、平和ではあるものの

この平和な世界戦の中で唯一「アカン」ものにも触れられています。

 

そう、お永を一度捨てた男、修蔵に関してです。

何とかして復縁を望んでいるのでしょうが

正直、無理なのはわかっていることでしょう。

 

なぜかって?

その罪があまりにも深いから。

お君を傷つけたのが一番痛かったんですよね。

 

今回、雲平とともに仕事をしているのを聞き及んで

荒れに荒れるのですが…

お前がそれをしていいわけがないだろう、とあきれてしまいましたよ。

 

おわりに

こういう落ち着く作品を読むのはいいことですね。

今回は甘味好きな石海が活躍してくれましたね。

彼の力がなければ、ハッピーエンドはなかったと思います。

 

続きが出てほしいと思える作品です。

楽しみにしてよ。

 

おしまい